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最新鋭エミレーツ・スタジアム そのVIPラウンジに広がる世界とは
至れり尽くせりの待遇 食事が終わればいよいよ試合観戦。革張りのシートは高級ソファーのような座り心地だ。ハーフウェーラインの真横に位置する最高の席である。気温が下がれば、ソフィーがダイヤモンド型のロゴが入った赤いカシミアのひざ掛けを手渡ししてくれる。まさに至れり尽くせりの待遇だ。 そしてハーフタイムにはデザートが出され、試合終了後にはソファーがあるラウンジでくつろげる。クラブハウスは試合終了の2時間後までオープン。もちろん、軽食や各種ドリンクのサービスは閉店まで続く。 確かに裕福な層ですが、彼らも熱狂的なサポーター。つまりここは、愛するアーセナルを最高の状況で観戦するという、ファンの純真で無邪気な夢を実現した空間だと思います」 考えてみれば、スタジアム建設の際、UAEのエミレーツ航空に、15年のネーミングライツという名目で1億ポンド(約160億円)も支払わせた段階で、アーセナルの究極のブランディングは終わっていたのだ。 その事実は、プレミアで唯一21世紀に建造された近未来的景観を持つスタジアムのVIP空間、ダイヤモンドクラブの驚愕の人気と、超絶的なステータスが証明していた。 【了】 森昌利●文 text by Masatoshi Mori