「監督の指示があったからこそのゴール」 広島MF野津田岳人が激白、6月のJ1ベストゴール“左足スーパーミドル弾”の真相

「自分がゴールを挙げることよりも、まずは与えられている役割を全うする」

――実際にC大阪戦でのゴールも、満田選手からパスを受けて、スムーズにシュートまで行けました。

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「僕、結構、シュートを打つ前のトラップが下手なので。今まで練習では決められた場面でも、試合になるとトラップの置きどころが悪くて、ダフったりすることが多かったんです。でも、この時はうまく決まったので、自分の得意とする形でシュートを打つことができました。本当に、『蹴る前の準備が一番大事なのかな』と、改めて感じますね」

――キャリアハイがシーズン4ゴールにとどまった理由、分かっているじゃないですか(笑)。

「そうなんですよ(笑)。そうなんですけど、いざ、試合になると意識しすぎてトラップがズレてしまって、シュートの時に変なところに当たってダフッたり、浮いてしまったりするんですよね。本当にトラップは大事だなと、今、自分にも言い聞かせながら話していました(笑)」

――少し昔話になりますが、試合終盤まで負けていて、そこから逆転した試合といえば、ルーキーシーズンの2013年、野津田選手が途中出場から2得点を挙げた清水エスパルス戦(3-1)があったと思いますが、あの時のことがフラッシュバックしたりはしましたか?

「ちょっとフラッシュバックしました。蹴る前に、割と同じ形だったので、『決められる!』っていう感触が確かにありました。決めた後も、『ああ、この形だ』と、あの時のことと重なる感触を感じていて、鳥肌が立ちました。ただ、もう1点取らないといけなかったので、そこは切り替えたんですけれどね」

――このゴールでキャリアハイの4得点には、あと2点となりました。更新したいという思いはいかがですか?

「もちろんあります。点を決めることも、やっぱり求められていると思うので、そこは決められたらいいと思いますし、チームを救うゴールを決められたらいいなと思います。ただ、自分がゴールを挙げることよりも、まずは与えられている役割を全うすること。そこを第一優先で全うしたい。そのなかで、こうやって相手を押し込めれば、ミドルを打てるチャンスはあると思うので、そこはどんどん決めていきたいです。FKも良いポジションで蹴ることができれば、決めて勝利に貢献したいですね」

――昨シーズンは、ヴァンフォーレ甲府でプレーして、今シーズン広島に復帰しました。甲府では過去最多の41試合に出ていますが、どんな経験になりましたか?

「すごく自分にとって大きな1年でした。あれだけ試合に出ることが、今までプロになってからのキャリアで初めてです。1試合を除いて、全ての試合に出られたので、試合勘をすごく得ることができました。とにかく、たくさんの試合を積んで、試合勘をはじめ、いろいろなものを得られた感覚があった1年になりました。『自分もこれだけできる』という自信が付きましたし、ボランチとして1年間、戦うことができた経験も大きかったですね。これだけボランチで1年間、出続けたことがなかったので、41試合出場を続けて、ボランチでのやり方、守備の部分、いろいろなものが見えました。その経験は、今季にもつながっていますし、とにかく甲府に感謝しています。伊藤彰監督にも、とてもいろいろなことを指導してもらったので、その経験が生きていますし、ただただ感謝しかありません」

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