「監督の指示があったからこそのゴール」 広島MF野津田岳人が激白、6月のJ1ベストゴール“左足スーパーミドル弾”の真相
「蹴ることはもちろん、蹴ることができる場所にしっかりボールを置くことが大事」
――アンカーというポジションだからこそ、上がってきた野津田選手を相手も捕まえきれなかったかと思うのですが、チームの攻撃のオプションになるなという感触はありますか?
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「あの試合は相手も本当にクロスを警戒して、がっつりと引いていたので、そういう戦い方をしてきた相手には、チャンスだなと感じました。アンカーから上がった時は、打てるタイミングが一つ前でプレーする時よりもあると思うので、そこはこれからも狙いたいですね。逆にそれを警戒してくれたら、自分のところから空いている選手に展開することもできると思うので、うまく使い分けができたらいいなと思います。まずは自分のポジションでしっかり攻撃を回すことを意識したなかで、チャンスがあれば狙っていくような感じです」
――ボールがよく集まるアンカーは、ボールタッチのフィーリングというのも掴みやすいでしょうか?
「そうですね。最初にやった柏レイソル戦の時は、景色も全然違って、味方との距離感も違ったので、周りからは『フリーでシュートが打てる』ように見えていても、自分のなかでは違ったので、難しさは感じていたんです。でも、徐々に慣れてきて、こっちはこっちで楽しいな、やりやすいなという感覚が出てきているので、(ダブルボランチと)どちらで出ても、できるという感覚があります」
――シュートは、相手GKから逃げていくようなライナー性の強烈なものになりました。
「最近は、縦回転で上から落とすシュートをずっと狙っていて、そういう蹴り方をしていたんです。でも、この時はハーフタイムに監督から『ミドルシュートは抑えて低く打て』という指示があったので、それを意識して縦回転で落とすことよりも、低く強く当てにいくように意識して、蹴り方を変えていたんです。結局、ボールは浮いてしまって、試合後に監督からは『ミドルシュートは低くグラウンダーで打てと言ったのに、ガクトは無視して浮き球で打った』と、ちょっと怒られたのですが、監督の指示があったからこそのゴールだったことは、言わせてください(笑)」
――その場で監督に説明しなかったのですか?
「みんなの前で言われたので、笑うしかなかったですね(笑)。でも、自分のなかでは『抑えて打とうとしたんだよ』という気持ちがありました(笑)。あのアドバイスがなかったら、名古屋戦で決めたような、上から落とすボールを打っていたと思うんです。そうしたら、もしかしたら入っていなかったかもしれません。たしかに、グラウンダーを打とうという意識はなかったかもしれませんが、ふかさないように、足にしっかり乗せて、強く打つということがイメージ通りにできて、結果的に良いコースに行きました」
――今季初ゴールの名古屋戦のゴールは5月に決めたものでしたが、個人的にはどちらのゴールが、より印象に強く残っていますか?
「うーーーん。どっちもですね。自分のなかでは、まったく違う感覚のゴールなんです。今回のミドルシュートは、なかなか最近、ああいう形で綺麗に決まることがなかったので、それを出せたということで嬉しかったです。名古屋戦のFKも、近年、自分が磨いてきたものをサポーターの目の前で出せたということで、嬉しさがありました。両方ともに見せたいゴールだったので、どっちかを選ぶのは難しいですね(笑)。両方とも、嬉しいです」
――左足のキックのコツ、ミドルシュートを決めるためのポイントとして、サッカーをやっている子供たちにアドバイスできることはありますか?
「練習からシュートを打って、キックの当て感をつかむことも大事なのですが、まずはしっかり蹴れるところにボールを置くことが大事です。蹴ることも大事なのですが、蹴ることができる場所にしっかり置くことが大事です。あとキックは、この形で踏み込んでボールを当てられたら飛ぶという感触のイメージを作ること。人は、それぞれ体格も違うので、キックの蹴り方やどこにボールを置けば蹴りやすいかも、変わってくると思うんです。練習でそのイメージをすり合わせて『ここに軸足を置いて踏み込んで、ここにボールを当てれば一番いい』という場所を探して、それを練習して試合に使えるようにすることが大事だと思います」