浦和のビルドアップ&プレス機能、監督は「全員がすごく良い」と手応え “良い流れ”を醸成した要因とは?
ホームのFC東京戦で3-0快勝、MF大久保智明は嬉しい今季初ゴール
浦和レッズは7月10日のJ1リーグ第21節、FC東京とのホームゲームに3-0の完勝。リカルド・ロドリゲス監督は試合後に「今日は完全な試合ができた」と話し、その要因の1つに全員が揃ってトレーニングができる状況を挙げた。
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このゲームで浦和は前半からビルドアップも攻撃後の奪い返しにいくプレスも機能性が高く、FC東京を圧倒する内容を見せた。その中で前半31分には相手のビルドアップに人数を合わせたプレスを仕掛け、FW松尾佑介がボールを奪い取ると敵陣にドリブルで切り込んでラストパス。それをMFダヴィド・モーベルグが難なく決めた。
後半はFC東京がシステムを変えるなかでもより多くの得点チャンスを作り、後半5分にはMF伊藤敦樹がミドルシュートで追加点。後半25分にはモーベルグと途中出場のFW江坂任のコンビネーションで右サイドを崩し、江坂のラストパスをMF大久保智明がゴール。公式戦6試合連続スタメンの大久保は、これが嬉しい今季初ゴールになった。
ロドリゲス監督は試合後の記者会見で「今日は完全な試合ができたと思う。チャンスの数も作れていたと思うし、それをゴールに繋げられた。ディフェンスのところでは前からプレスをかけながら、途中から出場した選手も含めて戦ってくれた。さらに追加点を取れる場面もあったけれども、全員がすごく良い試合をしてくれた」とコメント。そして「中断期間を挟みながら全体で、全選手が揃いながら練習をすることで積み重なってきているものもある」と話した。
浦和は今季AFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場し、4月と5月はタイ遠征もしながら週末だけでなくほとんどの平日にも試合が入る厳しいスケジュールだった。ロドリゲス監督は選手をローテーション起用しながら乗り切るマネジメントを見せたが、その間のトレーニングは回復に努める必要のある選手が常に半数ほどいる状態となり、戦術やコンビネーションの確認が難しい状況にあった。
それに加え、モーベルグは新型コロナウイルスの影響により入国が遅れて4月に合流。前線で獲得したMFアレックス・シャルクも同時期の加入であり、FWキャスパー・ユンカーはプレシーズンからコンディションが整わずに出遅れた。キャンプ終盤から負傷者も多く、開幕直後には新型コロナウイルスの影響でトレーニングも制限が出た。その結果、コンビネーション確立に必要な時間が足りないままシーズンが進み、個々の能力頼みの攻撃は違いを生み出しきれなかった。
それが、6月の代表活動により中断した期間にまとまったトレーニングの時間を確保できたことで好転しつつある。日程にも多少の余裕が出てきたことで、コアになるメンバーの出場が続いて総入れ替えのようになる試合は減った。そのなかで前述の大久保のように結果を残す選手が出てきたことで、良い流れを生みそうな期待感はある。
続く16日の清水エスパルスとのアウェーゲームを終えると、E-1選手権による中断期間で再びまとまったトレーニングをする時間も取れる。新戦力のオランダ人FWブライアン・リンセン獲得のクラブ間合意も発表されているだけに、新たなストライカーが上手く融合できれば引き分けの多い勝ち切れないシーズンを送ってきた状況を本格的に打破できる可能性を秘めていると言えそうだ。