瀬古歩夢、C大阪から海外移籍で直面した問題とは? 「監督もそこは気にしてる部分」…プレミアリーグを目指してコツコツ努力

好きな選手はDFセルヒオ・ラモス「ああいう気持ちを出してのプレーがすごく好き」

 言葉の習得は、長期的に海外でプレーするうえで間違いなく最重要事項の1つ。とはいえ、コミュニケーションは言葉だけではない。交流を持とうという動きがあるから相手は反応するし、相手のコンタクトに対応しようとするから次が生まれる。

 瀬古は海外でプレーすることを決断した背景として、将来へ向けた大きなビジョンがあると話していた。そのため、そうしたことにも貪欲なのだろう。

「最終的にはプレミアリーグでやりたいというのは目標でもある。グラスホッパーがウルブス(ウォルバーハンプトン)とコンタクトがあるというのは大きかったし、『行かないあれはないでしょ』というのはあった」

 好きなチームはマンチェスター・シティ。自分もボールを持ってサッカーをするのが好きだからと明かす。「難しそうですけど」と笑いながら。そして好きな選手はDFセルヒオ・ラモス(パリ・サンジェルマン)だという。

「他にも(アイメリク・)ラポルトとか、ビジャレアルの(パウ・)トーレスとか、個人能力で言ったら(アントニオ・)リューディガーとか、いい選手はいっぱいいますけど、自分的にはセルヒオ・ラモスみたいになりたい。激しいじゃないですか。危ないタックルもありますけど、試合中、人生を懸けてやっている。ああいう気持ちを出してのプレーがすごく好きで。サイドチェンジとかも上手いし、リーダーシップを持ってやっているところも見習ってやっていきたい。激しさばかりが言われがちですけど、ポジショニングとか、相手に当たるタイミングとかも素晴らしいですから見習いたい」

 リーダーシップを発揮する選手になるためにも、円滑なコミュニケーションは欠かせない要素となる。海外でのキャリアをスタートさせた瀬古。ピッチ上で周囲の選手へ指示を飛ばして守備陣をリードしていく姿が見られる日を楽しみにしたい。

[プロフィール]
瀬古歩夢(せこ・あゆむ)/2000年6月7日生まれ、大阪府出身。中泉尾JSC―セレッソ大阪U-12―セレッソ大阪U-15―セレッソ大阪U-18―セレッソ大阪―グラスホッパー(スイス)。17年5月24日のルヴァンカップ第6節・ヴィッセル神戸戦でクラブ史上最年少の16歳11か月でトップチームデビューを飾り、19年5月4日の第10節・松本山雅FC戦でJ1デビュー。同年のU-20ワールドカップメンバーに選出された。20年には、史上4人目となるルヴァンカップのニューヒーロー賞とJリーグのベストヤングプレーヤー賞をダブル受賞し、22年1月にグラスホッパーへ完全移籍した。

(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)

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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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