カタールW杯、オフサイド判定「半自動的システム」導入とFIFA発表 12台カメラ設置&3Dアニメーション自動生成

「セミオートマチック(半自動的)システム」の導入を行うと発表(※写真はイメージです)【写真:Getty Images】
「セミオートマチック(半自動的)システム」の導入を行うと発表(※写真はイメージです)【写真:Getty Images】

オフサイド判定へ新テクノロジーを活用へ、正確な判定に期待

 国際サッカー連盟(FIFA)は7月1日、11月に開幕するカタール・ワールドカップ(W杯)においてオフサイド判定の「セミオートマチック(半自動的)システム」の導入を行うと発表した。

 FIFAの発表によると、試合会場にはそれぞれ12台の特別なカメラを設置。これによって、各選手やボールは最大29個のデータポイントとして1秒間50回の頻度で計測される。そして、これはオフサイド判定に必要なすべての手足の位置が含まれるとした。また、ボールの内部には専用の計測ユニットが埋め込まれて1秒間に500回の頻度でピッチ上の正確な位置がデータ化されるという。

 これらを組み合わせて人工知能を応用することで、ボールをプレーした瞬間にオフサイドポジションにいた味方選手にパスが通った時には、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)に自動的に通知がいくという。VARはこれを受けて映像を検証し、そこで自動で作成されたキックの瞬間のボールと選手の手足の位置を計算して自動的に生成されるオフサイドラインを手動で確認し、フィールド上の審判員に通知する。FIFAはこれらが1つのプレーに対して数秒以内に完了するとした。

 また、この確認が終わった後はこのデータを基にした3Dアニメーションが自動生成され、オフサイドの状況を常に最適なポジションからのアングルで見たものが示されるという。そしてこれは、スタジアムの大型スクリーンや正規のテレビ放送にも提供されるとした。

 FIFAは今後さらにテストを重ね、システムの微調整を行った後にこの新技術についての世界標準規格を制定する予定だとしている。W杯の出場チームに対しては7月4日と5日に開催されるワークショップで発表され、その後は広く世界に公開されるとしている。

 前回の2018年ロシアW杯では、代表チームによるW杯で初めてVARが導入されたことで話題を呼び、フランスとクロアチアの決勝戦でもそれによってPKの判定がされる場面もあった。今回はオフサイド判定についてテクノロジーがこれまで以上に踏み込むことになり、より素早く正確な判定が下されることが期待されている。

(FOOTBALL ZONE編集部)

page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング