理想像はモハメド・サラー 東京Vバスケス・バイロンがJリーグ初挑戦で誓う“進化”
【インタビュー】J初挑戦で3試合連続ゴールをもたらした「怖い選手になりたい」思い
東京ヴェルディのMFバスケス・バイロンは自身初のJリーグ挑戦となった今季、“切り札”的存在としてチームを活気づけ、存在感を示している。チリで生まれ、9歳で来日してから早12年、日本国籍取得を目指すことを宣言した希代のアタッカーが覚醒した理由、そして思い描くキャリアビジョンに迫る。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小田智史/全2回の1回目)
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日本高校サッカー界の名門・青森山田高で、切れ味の鋭いドリブルを武器に3年次に高校選手権の優勝を経験したバスケス・バイロンは、卒業後の進路に当時東北社会人サッカーリーグ1部のいわきFCを選んだ。
いわきFCのJFL昇格に貢献し、2020年2月に母国のチリ1部CDウニベルシダ・カトリカへ期限付き移籍。新型コロナウイルス禍でリーグ戦は休止、外出自粛を余儀なくされ、同10月にいわきFC復帰を決断した。
いわきFCがJFL参戦2年目でのJ3昇格を果たした2021年シーズン終了後、東京Vへ完全移籍。今季ここまでJ2リーグ戦19試合に出場し、4ゴールを挙げている。バスケス・バイロンにとってJリーグの舞台は初だが、決して戸惑いはなかったという。
「青森山田高を卒業してから、いわきFC、チリリーグも経験して、自分が積み上げてきたものへの自信は持っていました。ヴェルディの選手はみんな上手いし、クラブとしての戦術もあるなかで、馴染んで自分の良さを出すまでに約1~2か月はかかりましたけど、試合を経験するにつれて自分のプレーを見せられる機会が増えて、守備もだいぶ良くなってきました。でも、攻撃の面ではもっとできると思っています」
現在、バスケス・バイロンが主戦場とするのは3トップの右ウイング。開幕戦は出番がなく、その後は試合終盤での途中出場が続いたが、5月1日のJ2リーグ第13節ファジアーノ岡山(1-2)で待望のJ初ゴールを挙げると、続く第14節ベガルタ仙台戦(3-1)、第15節アルビレックス新潟戦(3-4)と3試合連続でネットを揺らした。3試合連発は高校卒業後初、青森山田高でも3年次の2018年に高円宮杯U-18プレミアリーグで2試合連続ゴールが2回あったが、3試合連続は経験がないという。3戦4発と量産の背景には、攻撃バリエーション増加の取り組みがあると明かす。
「4ゴール中3つはクロスからの得点です。今までクロスに対して大外で張っている自分がいたなかで、攻撃チャンスになった時に勇気を持ってもう1つ中に入って、怖い選手になりたかった。仕掛けてチャンスメイクするだけではなくて、自分も得点も取れる選手になりたいと、クロスからの入りは普段の練習から取り組んできたので、自分のやってきたことがゴールという結果につながったのかなと思います。3試合連続ゴールのあとは結果を残せていませんが、我を出しすぎず、チームのために戦いながら自分の良さを出して、結果を出すことがベースだと思っています」