2か月ぶり復帰の浦和DF酒井宏樹、後半45分で示した可能性 「少しでも上に向かっていくしかない」
4月24日のACL大邱FC戦以来の実戦復帰
浦和レッズの日本代表DF酒井宏樹は、6月26日に行われたJ1リーグ第18節ヴィッセル神戸戦(1-0)でハーフタイム明けから途中出場。4月24日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の大邱FC(韓国)戦以来、約2カ月ぶりのプレーになった。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
酒井は昨夏にフランス1部マルセイユから浦和に移籍。オーバーエイジで臨んだ東京五輪、浦和での公式戦、日本代表のワールドカップ(W杯)アジア最終予選とフル稼働の時期を過ごした。
今年はシーズン開幕直後に右足第5中足骨の骨挫傷があり、3月の日本代表活動を辞退。さらにACLで痛めたことにより、保存療法だった同部位の手術を実施。その時点で、全治約2カ月とされていた。
リカルド・ロドリゲス監督は「90分をやれる状態でないと判断したが、45分はいけると。2カ月の離脱期間で簡単ではなかったが、縦への推進力を生かそうと投入した。これから少しずつ、長い時間のプレーも可能になるだろう」と、頼れる存在の復帰について話した。
実際に、この試合の後半のピッチでは右サイドをダイナミックに攻撃参加するなど躍動。神戸のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督も「後半、相手がサイドバックの交代をしてからこちらの左から攻撃を組み立てた。汰木(康也)は攻撃で貢献していたが、守備面で問題を抱えた」と、スタメン出場していた対面のMF汰木を交代させる理由になったと話していた。
浦和は試合終了間際にMFダヴィド・モーベルグの直接フリーキックが決まり、1-0の勝利を収めた。いまだに2桁順位と苦戦しているなかで、クラブでは副主将を務める酒井は「少しでも上に向かっていくしかない。これからじゃないですか。チームみんなでやらないといけない。今日くらいの緊張感、切羽詰まった追い込まれた感じを試合に出せるかが大事だと思う。それを見てサポーターも判断すると思う」と話した。
ロドリゲス監督は「浦和でも日本代表でも、経験と人間性がチームにプラスになると思う。ピッチに立てなくても頼りになる。そして、試合に出ればピッチの上で出し尽くしてくれる。セットプレーでも攻守に特徴を生かしてくれる」と話す。
欧州で修羅場をくぐってきた経験を持つ酒井の復帰は、浦和にとって大きなプラス要素になりそうだ。そして、そのプレーが11月のカタール・ワールドカップ(W杯)での日本代表にもつながっていくと言えそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)