ネイマールが泣いた! ブラジルが決勝ドイツ戦で延長PKの死闘を制し、王国初の五輪金メダルを獲得
14年ブラジルW杯準決勝の1−7惨敗の屈辱晴らす
後半に入り、ドイツもキャプテンがスコアを動かした。同14分、ドイツは右サイドを切り崩すと中央への折り返しをシャルケMFマキシミリアン・マイヤーが右足でゴール左隅に流し込み、1-1の同点ゴールを決めた。ブラジルにとってはこれは今大会の初失点となり、自国開催の金メダルを期待してお祭りモードだった聖地マラカナンには、一瞬の静寂が訪れた。
同点に追いつかれたブラジルは、怒涛の攻撃をスタートさせた。イタリアの強豪ラツィオでプレーするMFフェリペ・アンデルソンを後半25分にバルボーサに代えて投入すると、セカンドボールにも強い圧力をかけて次々にこぼれ球を回収。ドイツに攻撃の糸口を与えないような連続攻撃を繰り出した。しかし、ドイツもゴール前ではマークを外さずに必死に耐えた。個人技で相手を外して放ったネイマールのシュートも、わずかにゴール枠を外れた。プライドをぶつけ合った激闘は90分で決着がつかず、1-1で延長戦に突入した。
延長戦でも猛攻を仕掛けたブラジルだが、1点が遠い展開が続いた。延長後半の立ち上がりには、ネイマールのスルーパスからアンデルソンが抜け出しGKと1対1になったが、右足シュートはブロックされた。両チームともに17日間で6試合という過密日程で、ネイマールも足をつる極限状態での戦いは、延長戦でも決着がつかずにPK戦にもつれ込んだ。
ドイツが先攻となったPK戦は4人目までが双方ともに全員成功させた。そして、ドイツ5人目のFWニルス・ペーターセンのキックは、ブラジルGKウェベルトンが完全にコースを四でストップ。そしてブラジルは5人目に登場したネイマールがGKの逆を突いてゴール右に決めて決着をつけた。ゴールにPKが吸い込まれた瞬間、主将の重圧から解き放たれたネイマールは号泣した。2014年ブラジルワールドカップ準決勝で1−7と惨敗したドイツに雪辱を果たし、地元開催の祭典でブラジルはついに五輪でブラジルサッカー初の金メダルを手中に収めた。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images