群馬の”組長”大槻監督、古巣・浦和は「敵でもない。心からリスペクト」 対戦に感慨「本当に幸せ」
群馬は天皇杯3回戦で浦和に勝利
J2ザスパクサツ群馬は、6月22日の天皇杯3回戦で浦和レッズを1-0で下して1カテゴリー上の相手を破る番狂わせを演じた。古巣対決になった大槻毅監督は「カテゴリーも違うし、敵でもない。心からリスペクトしている。監督として戦えることが本当に幸せ」と、浦和について話した。
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大槻監督は浦和で分析担当やユース監督を歴任した後、2018年には暫定監督としてトップチームの立て直しに尽力。翌19年にはシーズン途中から正式監督に就任し、2020年まで指揮を執って退任していた。
そして今季から群馬で指揮を執り、この古巣対決が実現した。浦和の攻撃に対してブロックを作って構えながら、状況に応じて最終ラインの枚数を調整しながら上手く対応。そうした中で前半35分、浦和が敵陣で不用意な横パスでボールロストしたところから群馬は速攻。一度は浦和が攻撃をストップしかかったが、こぼれた所に反応したFW高木彰人が右足で蹴り込んで1-0の先制点を奪った。
後半には浦和が選手の配置などを変えながら圧力を掛けてくるなかで、残り20分で5バックにして守り切った。指揮官はそうした対応を「想定内のもの」と話した一方で、その具体的なアイディアは「浦和にもこの後、リーグ戦もあるでしょうから」と配慮を見せて詳細は口にしなかった。
この古巣対決という注目度の高い試合について、大槻監督は「普通にやりました。長くいたクラブだし、普通に接して、彼らと会えたのもうれしい。何か気負ってやることもなかった」と、試合に臨んだという。一方で、その古巣に対しては「浦和はカテゴリーも違うし、敵でもない。本当に良い思いをさせてくれた。心からリスペクトしているし、サポーターも素晴らしい。監督として戦えることが本当に幸せだと思ってやっていた」という思いを語った。
この試合、右サイドバックとして出場し、サイドでタイトな守備を見せたDF岡本一真は大槻監督について「いつも大槻さんが言っているのは、練習通りに試合を進めれば自分たちのサッカーで勝てると。それをみんなで意識できたと思う」と話した。
冷静に相手を分析しつつ、浦和時代にはスーツとオールバックの風貌で“組長”のニックネームをつけられたようにパッションの部分も持つ。指導者として長年過ごした浦和を離れて新たなスタートを切っている大槻監督にとっても、節目の勝利になったのではないだろうか。