「今の応援、本当に意味あるのか」 Jリーグの声出し規制でファン離れ実感、湘南ゴール裏サポーターの胸中
なにより悔やまれる「選手に向けて声援を送れないこと」
「今の応援、本当に意味あるのか、価値があるのかなって思ってしまうことは多々あって……。客観的に見ちゃうと、ただただ太鼓の音に合わせて手を叩いているだけなんです。当然、雰囲気につながるものだとは思っているんですけど、応援として伝わるとか、思いとして伝わるって手拍子だとどうにもならないので。
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そういう意味でもっと普通に戻りたいなっていうのがすごくあります。ルールを守るのは大事なんですけど、そこに縛られてサポーター的な感情や感覚がなくなっていくというか、薄れてしまうのは良くない。あとはなにより、熱量が図れなくなりましたよね。手の音量ってどんだけ頑張ったって微々たる変化しかないと思いますし、こちらからの発信が弱くなったかなという気はかなりしています」
ルール厳守への重要性を認識しながらも、いちサポーターの目にはそこに縛られ過ぎている印象も拭えない。「マスクをしていなかった」「声を出していた」ことへ異常なまでに反応する風潮に、髙橋さんは「何のためのルールかっていうところから逸脱してる感じが凄くしている」とも打ち明ける。
そして何より悔やまれるのが「選手に向けて声援を送れないこと」だと髙橋さんは言う。ピッチに立つ選手たちのサポートができない現状へ、髙橋さんの胸にはやるせない思いが去来する。
「ここ数年で加入してきた選手、例えばゴールキーパーの谷晃生選手っていうのは、ウチに来てくれてから声での応援を1度しか受けたことがないんですよね。偉そうな言い方になっちゃうかもしれないですけど、選手たちも可哀そうだなって。プロってそういう応援の中でプレーができるのが1つのステータスだと思うんですけど、それがないのが可哀そうだし、なにより申し訳ない」