森保ジャパン、カタールW杯「本大会メンバー予想」 “MF枠”が最多11人…サプライズ候補の8人は?

U-21鈴木唯人は森保ジャパンに欠けている“火力”を補える存在

<FW/4人>

▼W杯予想メンバー
大迫勇也(ヴィッセル神戸)
浅野拓磨(ボーフム)
古橋亨梧(セルティック)
前田大然(セルティック)★

▼サプライズ候補
上田綺世(鹿島アントラーズ)
鈴木唯人(清水エスパルス)

 最も選択の難しいポジションだ。大迫が外れた6月シリーズで大きく評価を上げた選手はいなかったなかで、浅野は一歩リードという状況。パラグアイ戦でゴールを決めて、チュニジア戦でも前線での動きは悪くなかった。何本も上がってきたクロスにうまく合わせられず、起死回生のオーバーヘッドも枠を外れた。それでも本大会のメンバーから外れる可能性は低い。

 前田に代表初ゴールが生まれたことは喜ばしいが、チュニジア戦でチャンスを与えられなかったのは残念。ブラジル戦後、古巣神戸の本拠地で行われたガーナ戦で出番がなく、次のチュニジア戦で途中投入された古橋も、日本がPKで先制された状況で評価を大きく上げるチャンスだったが、チュニジアのタイトなディフェンスに対してスペースが空かず、三笘、久保、堂安というアタッカー3人との息が合わなかった。サイドではなく中央で起用されているのはポジティブだが、古橋の良さを活かす意味でも連係面の向上は必要不可欠になりそうだ。

 上田はスタメン出場したガーナ戦でゴールこそなかったが、3バックの相手に対して小さなギャップでも狙いに行く姿勢や難しい体勢のポストプレーも成功させるなど、やはり大迫がいないなかではFWらしいプレーで大量得点に結びつけた。ただ、ストライカーなので評価を上げるには、ゴールという目に見える結果は欲しかっただけに、チュニジア戦を残しての離脱は残念だ。便宜上、サプライズ枠に入れているが、W杯メンバー入りは十分に射程圏内。クラブではクラブに集中するという上田らしく結果を積み重ねて、次の招集に結び付けてもらいたい。

 もう一人、サプライズ枠でU-21代表の鈴木をピックアップしたのは森保ジャパンの課題が中央からの突破力と得点力にあるから。分かりやすい表現をするなら“火力”が不足している。鈴木の推進力とシュート力はスペシャルであり、国際レベルでも通用するだろう。同じU-21代表の細谷真大(柏レイソル)もドリブルと飛び出しの両面でプラスをもたらしそうだが、個の打開力で鈴木を優先した。

<総評>

 森保監督の基準を想定しながら、今回23人プラス3人ということで26人を選んだが、ブラジル戦やチュニジア戦の結果で、メンバー外だった選手にもチャンスが出てきたのではないか。怪我の酒井と調子を落としていた大迫の2人はコンディション次第でメンバー入りはもちろん主力復帰も可能だが、それ以外の選手でも圧倒的な能力を自チームで示してもらいたい。また国内組ベースで臨む7月のE-1選手権でも圧倒的な活躍を見せれば、今回挙げたメンバーとの序列を覆すことも不可能ではない。

河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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