日本代表OBが分析、森保Jの6月シリーズ「評価上昇&下降」選手は? 「一番成長した」「伊東とは合わない」
【専門家の目|栗原勇蔵】板倉は6月シリーズ4試合で存在感発揮「今は外しづらい」
森保一監督率いる日本代表は、6月14日に行われたキリンカップ決勝でチュニジア(FIFAランキング35位)に0-3と完敗を喫した。6月シリーズはキリンチャレンジカップでパラグアイ(4-1)とブラジル(0-2)、キリンカップでガーナ(4-1)とチュニジアと対戦して2勝2敗。この4試合で評価を上げた選手3人と評価を落とした選手3人を、日本代表DF栗原勇蔵氏に挙げてもらった。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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【6月シリーズで評価を上げた選手】
■板倉滉(シャルケ/25歳/DF)
パラグアイ戦:45分(途中出場)
ブラジル戦:90分(先発出場)
ガーナ戦:45分(途中出場)
チュニジア戦:90分(先発出場)
「6月シリーズで一番成長を感じました。今まで出番が限られていたのもありましたけど、ディフェンスの間合いがいい。ボディーコンタクトされても負けないし、ヘディングも強くて、ビルドアップ能力も高い。吉田麻也が(チュニジア戦で)あんな形で終わったので、序列が変わってもおかしくない状況です。今は板倉を外しづらくて、板倉を外すくらいなら、冨安(健洋)を右サイドバックに持っていく選択肢も出てくると思います」
■三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ/25歳/MF)
パラグアイ戦:82分(先発出場)、1ゴール
ブラジル戦:18分(途中出場)
ガーナ戦:80分(先発出場)、1ゴール1アシスト
チュニジア戦:30分(途中出場)
「三笘は間違いなく必要な戦力。切り札に最適、スタメンで相手を消耗させるのにも最適なので、選ばなかったらおかしいくらいです。(右サイドの)伊東純也はスピードを上げて、相手よりも一歩前に出てクロスを上げるタイプ。逆に、三笘は0から100に行く。相手の逆を取って完全に抜き切れる分、中の選手も合わせやすいし、タイミングも合わせやすいから貴重だと思います。ただ、森保監督は伊東と三笘の同時起用はバランス的に考えていなそうですね」
■伊藤洋輝(シュツットガルト/23歳/DF)
パラグアイ戦:90分(先発出場)
ブラジル戦:出場なし
ガーナ戦:90分(先発出場)、1アシスト
チュニジア戦:90分(先発出場)
「今まで左サイドバックでは長友(佑都)、中山(雄太)がぱっとしなかった一方で、伊藤はサイズとスピードがあって、クロスもいいボールを上げられる。長友が右に回って、中山の序列が落ちた形で、メンバー入りしてもおかしくないと思います。裏のボールとか、足元のボールに強い反面、ボディーコンタクトは課題ですけど、あのサイズはなかなかいないし、若いので次(2026年)のワールドカップも考えると経験を積ませたいところです」
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。