森保ジャパンの「新たな武器になる」 日本代表OBが“新鋭コンビ”に期待…「みんながワクワクする」三笘薫をどう生かすか?
【専門家の目|金田喜稔】三笘薫と伊藤洋輝に注目「クレバーなポジションを取っていた」
森保一監督率いる日本代表は、6月10日にノエビアスタジアム神戸で行われたキリンカップのガーナ戦で4-1と勝利した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、FW三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)とDF伊藤洋輝(シュツットガルト)に注目。左サイドの新鋭コンビは「日本の新たな武器になる」と大きな期待を寄せている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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6月シリーズ第3戦となったガーナ戦では、3トップの左にFW三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)、中央にFW上田綺世(鹿島アントラーズ)、右にFW堂安律(PSV)を配置。今月2日のパラグアイ戦(4-1)で代表初選出ながら左サイドバック(SB)でフル出場し、A代表デビューを飾っていたDF伊藤洋輝(シュツットガルト)がガーナ戦でも左SBのスタメンに名を連ねた。
試合はDF山根視来(川崎フロンターレ)、三笘、久保、FW前田大然(セルティック)のゴールで日本が4-1と快勝。見どころの多い試合となったなか、金田氏が注目したのは左サイドの三笘と伊藤だ。
「三笘が左にいてボールを持てば、みんながワクワクする。それは以前からそうだったし、ガーナ戦でも同じだった。ガーナ戦では、伊藤が三笘を生かすクレバーなポジションを取っていたのですごく良かった」
三笘のドリブル突破力は日本屈指であり、森保ジャパンの武器と言っても過言ではない。では、日本の武器をどう生かすのか。「伊藤は無理してサイドから三笘を追い越すような動きをする必要はない」と金田氏は指摘する。
「三笘は、1対1であれば相手が誰であれ勝てる可能性が十分ある。逆に言うと、1対2と数的不利の状況や密集地帯は作られたくない。その時にSBのポジショニングも重要だ。伊藤が三笘を追い越す動きをすると、三笘が1対1で勝負できたはずのスペースを潰してしまうし、逆に密集地帯となってしまう」
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。