【専門家の目｜金田喜稔】“左足”も光ったDF伊藤「三笘を生かすクレバーなポジションを取っていた」

　森保一監督率いる日本代表は、6月10日にノエビアスタジアム神戸で行われたキリンカップのガーナ戦で4-1と勝利した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した17選手を5段階（5つ星が最高、1つ星が最低）で採点した。

　　　◇　　　◇　　　◇

＜GK＞

■川島永嗣（ストラスブール）＝★★★★☆（4つ星）
　後方でのセーフティーな意識がかなり見えた。1失点した場面、ギリギリのコースを飛ばされたシュートではなかったので、これがシュミット、権田だったら…と考えてしまった。それでも久しぶりに出場し、コーチングなどで川島らしさは見えた。

＜DF＞

■伊藤洋輝（シュツットガルト）＝★★★★☆（4つ星）
　三笘のドリブルを生かすポジショニングを考えたら、伊藤の無闇な追い越しは不要で、この日は伊藤が三笘を生かすクレバーなポジションを取っていたのですごく良かった。改めて伊藤の左足が武器になると感じたし、チームとしても生かす方向で突き詰めてほしい。

■吉田麻也（サンプドリア／→ハーフタイムOUT）＝★★★☆☆（3つ星）
　流れのなかで、吉田が選択する必要のないパスが散見。サイドチェンジを入れてサイドに起点を作るのは理解できるが、吉田からの効果的なパスは少ない。吉田のパスにチームが連動している気配もなく、フィーリングで長いパスを出してロストの可能性が高まるよりは、安全なパスのほうがベター。板倉や冨安なら、そういうパスを選択していないという場面もあり、シンプルに柴崎や遠藤らに託してリズムを作っても良かった。

■谷口彰悟（川崎フロンターレ）＝★★★★☆（4つ星）
　相手への対応も含めて安定していたし、ピンチらしいピンチはなかった。奪ってからのパスの散らし方も良く、90分を通して安心して見ていられた。

■山根視来（川崎フンターレ／→後半40分OUT）＝★★★★☆（4つ星）
　失点につながったミスは、本人が一番反省しているはず。W杯を考えた時、あの1本のミスパスが致命傷になり得る。そこは確実に減点対象だが、一方で鮮やかな先制ゴールも評価対象。得点に絡んだコンビネーションは見事で、右サイドのトライアングルも機能していた。将来性を見せてくれたし、攻撃の起点になれることを証明したという意味で良い評価を与えたい。