負傷で多くの主力を欠き、ベストメンバーからは程遠いチーム構成で1-4黒星

　森保一監督率いる日本代表は、6月10日に行われたキリンカップ第1戦でガーナに4-1で勝利した。カタール・ワールドカップ（W杯）でガーナと対戦する韓国のメディアは、その力を測ることができず「失望」「がっかりした試合」と伝えている。

　6月シリーズ第3戦となったガーナ戦で、森保ジャパンは中盤から前線にかけてFW堂安律（PSV）、FW三笘薫（ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ）、FW上田綺世（鹿島アントラーズ）、MF久保建英（マジョルカ）と若手が並んだ。

　立ち上がりから堂安と久保が積極的に仕掛けるなか、前半29分にスコアが動く。相手最終ラインの前でリズミカルにパスをつなぎ、右サイドに開いた久保へ展開。中央に切り込む素振りを見せた久保がそのまま中にパスを送ると、堂安がワンタッチで縦に流し、前線に上がっていたサイドバック（SB）の山根がゴールエリア右角付近から利き足とは逆の左足でコントロールショットを流し込んだ。

　しかし、1点リードで前半を折り返すかと思われた前半44分、日本は自陣の右サイド深くでボールを受けた山根が中央に斜めのパスを出すも、味方はおらず、ボールはガーナへ渡り、ペナルティーエリア手前からFWジョーダン・アユーに蹴り込まれて同点に追い付かれた。

　その後、前半アディショナルタイムに三笘のゴールで再び勝ち越した日本は、後半に久保、FW前田大然（セルティック）にA代表初ゴールが生まれ、最終的に4-1で勝利した。

　韓国メディア「nate」は「日本相手のガーナは“2.5軍”。韓国失望」と見出しを打ち、「韓国は戦力的に似た日本を相手にガーナがどんなサッカーを見れる機会だった。しかし、ガーナは主力を欠いたメンバー構成で、自分たちでさえ強化試合の意味を見出すのは難しいがっかりした試合になった」と伝えている。

　来日前の6月2日、5日にネーションズカップの予選を戦ったガーナ。イングランド1部アーセナルでプレーするMFトーマス・パーティは負傷のため遠征メンバー外となり、DFジョナサン・メンサーが脳震とう、MFジョセフ・ペインツィルとMFイドリス・ババも背中の負傷で来日できず、今回はメンバー全18人で日本入りしていた。

「日本に来たのは“本気”のチームではない。ネーションズカップ予選の招集メンバーから14人が抜けた。韓国の解説委員であるハン・ジュンヒは『14人も抜けて正直衝撃を受けた。この試合に出た選手の大半はW杯メンバーに入るのは難しいだろう。2.5軍レベルだ』とガーナを評価した」

　カタールW杯での対戦を見据え、指標とするはずだった日本対ガーナの一戦は、韓国にとっては物足りなさが残る結果となったようだ。