昨季のミラン監督がベルルスコーニ会長との確執を暴露 「彼は監督のように振る舞った」

「30年間で最も成功を収めた会長だが…」

 しかし、トップ下を置く4-3-1-2システムを偏愛する会長は、この状況に我慢がならなかったようだ。指揮官と良好な関係を築いた側近であるガリアーニ氏に話を通すことなく、独断で解任が決められたことを証言している。

 そして、ミハイロビッチ氏はベルルスコーニ会長の人間性について、さらに言及している。

「ベルルスコーニは、この30年間で最も成功を収めた会長と言えるだろう。彼は最も勝利を重ねた会長であり、ミランの一番のサポーターだった。だが、その2つの役割で満足できなくなったから問題が生まれたんだ。彼は自分が監督であるかのように振る舞おうとしてしまったからね」

 度重なる現場介入を、ミハイロビッチ氏は「監督のように振る舞おうとした」と表現している。現場と経営の分離はサッカーに限らずに必要と言われることだが、「ミランのデウス・エクス・マキナ(絶対神)」とまで表現された会長は、自身が全てをコントロールしないと気が済まなかったのだろう。

 胸中に少なからず悪感情を抱えてミランを去ったミハイロビッチ氏は、今季はトリノの新監督に就任し、なんの因縁か、21日のリーグ開幕戦ではミランの本拠地に乗り込んで対戦する。ベルルスコーニ氏が名誉会長に退き、“チャイナ・ミラン”として再スタートを切る古巣の出鼻を挫こうと、非常に高いモチベーションでプライドを懸けた一戦に臨むのは間違いないだろう。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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