ACミラン再生の象徴「カーサ・ミラン」 名門が世界に誇る革新的オフィスの全貌を探る

アジア進出も見据える名門、復活に向け背番号10もキーマン「本田はとても大切」

 

 フィリッポ・インザーギ新監督の会見でも使用されたハイテクノロジーのデジタル映像の世界地図には、ACミランのオフィシャルサイトの世界各国におけるアクセス数がリアルタイムで表示される。マルコ・ファン・バステンやルート・フリットら、ミランの歴史を支えた名手の成績がモニター表示されるのだ。

 レストランでは、選手が実際に食するアスリートの健康を考えたメニューが用意されている。8時から深夜12時まで、朝食、昼食、夕食と堪能できる。

 天上天下唯我独尊を自任するだけの仕掛けである。現在の背番号「10」本田圭佑の登場は、オフィシャルストアまで待たなければならない。壁に大きな写真がプリントされている本田は、ミラン史に名を残す代々の10番と同じように本館で語り継がれるには、偉大なる成果を積み重ねる必要があるだろう。

 だが、本田もミランのブランド力回復に重要な存在だ。

「未来のミランにとって本田はとても大切な選手。今季はチームと共に成長してくれると信じています。彼がミランにいてくれてうれしい。9月には日本も含め、アジアに市場拡大の話し合いに行く予定です。将来的には日本で親善試合をしたい」

 ミランのわが家が完成して100日が過ぎた。レストランも盛況で、既に1万2000人が利用し、カーサ・ミラン全体で109万ユーロ(1億5000万円)を売り上げている。バルバラは、声音を弾ませて言った。

「まだ100日だけど、カーサ・ミランの建設の決断は経済的にも、ミランのファンのためにも報われたと確信している」

 ミランブランド復権に全身全霊を注ぐ美しい女性経営者は、情熱的な瞳を輝かせていた。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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