森保ジャパン、6月シリーズ残り2戦で「活躍を期待」する選手は? 出番のない上田、久保に必要なことを検証
ブラジル戦でチャンスの無かった久保 三笘は壁にぶち当たった
■久保建英(MF/マジョルカ)
「ある程度、自分の立ち位置が嫌でも見えてしまったので、それに対する焦りというのは正直生まれました」と振り返ったパラグアイ戦は確かに、積極性というよりも1つ1つのプレー選択が良いとはいえず、実際に相手の守備に引っかかるシーンが多かった。現在地の厳しさというのは外側の人間がどうこう言う前に、本人が人一倍自覚しているようだ。ただ、そういった心理状態を包み隠さず話せると言うのはメンタルが前向きな証拠だろう。
「今度は割り切ってやれると思う」と語っていた久保だが、ブラジル戦は出番が無かった。それでも翌日の練習では上田らと意欲的にシュート練習に励んでおり、キリンカップで起用されれば結果で応える用意はできているはず。現状、4-1-4-1で明確なポジションは無いが、柴崎岳も語るようにスタートの立ち位置が4-1-4-1だろうと4-2-3-1だろうと、そこから選手の関係や立ち位置で変わってくる。まずはキリンカップで、どう言う形で使われても明確に結果を出して、必要な戦力として内外に認識させること。主役の座を取り戻すのはそこからだ。
■三笘薫(FW/ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)
ブラジル戦では良い宿題ともらった形だろう。エデル・ミリトンのような守備に関して世界で五指に入るようなディフェンダーを相手に勝負を挑んで、壁に当たった。1つ言えるのはこのクラスの相手になると、単独で抜き切るというのは一筋縄ではいかないということ。ただ、川崎フロンターレ時代から壁に当たるたびに、自分自身をアップデートさせて乗り越えての今がある。
やはり1対1で勝負を挑むにしても、いかにサイドバックやインサイドハーフのサポートを利用していくか。そして突破のための突破ではなく、シュートがあるという選択肢を相手に見せておいて縦の突破、あるいは逆と言った選択肢の応用が必要になってきそうだ。キリンカップでは同じベルギーの名門クラブ・ブルッヘでプレーするデニス・オドイとのマッチアップになる可能性が高い。ミリトンのような相手とマッチアップする機会はなかなか無いが、まずはアフリカの強豪を相手に武器を示せるか。その中での状況判断にも注目したい。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。