A代表入りを狙える逸材もズラリ Jリーグで飛躍が期待されるスピードスター候補10選

J3で格の違いを見せつける横山の才能は抜群

■松田詠太郎(アルビレックス新潟/MF/21歳)
・今季J2成績:16試合3得点3アシスト

 ボールを持てば驚異的な高速ドリブルで相手のディフェンスを置き去りにする。その才能に疑いの余地はないが、プレー意識がオンに偏ってしまう傾向があり、活躍する試合と消えてしまう試合が良くも悪くもはっきり出る傾向があった。

 しかし、横浜F・マリノスから期限付き移籍した新潟では得意のドリブルだけでなく、飛び出しからゴールに絡むシーンも増えており、アタッカーとしての殻を破りつつある。もちろん最大の武器はドリブル突破だが、より怖さのあるスピードスターとして、新潟のJ1昇格を牽引して行く期待が高まっている。

■屋敷優成(大分トリニータ/FW/18歳)
・今季J2成績:2試合0得点0アシスト

 一瞬のスピード感というのはJリーグの全体を見渡しても目を引く物がある。前線から右サイドハーフ、必要ならサイドバックもこなせるマルチロールで、ラインブレイクを得意とするが、サイドで起用されれば前のスペースを狙いながら、守備でも相手の出どころを封じることができる。

 小柄ではあるもののボディバランスがしっかりしていて、相手のチャージを跳ねのけたり、逆に鋭いプレスからボールを奪ったりと強さも備えた選手だ。モーリスレベロトーナメントに臨んでいる”03ジャパン”の代表チームに招集されており、J2から一躍、国際的な評価を高めて行くポテンシャルを備えている。

■横山歩夢(松本山雅/FW/19歳)
・今季J3成績:9試合6得点0アシスト

 非凡なスピードもさることながら、常に相手の背後を狙う怖さとフィニッシュの異様な落ち着きを兼ね備える。この2つの要素をハイレベルに揃えるFWは日本になかなかおらず、現在はJ3というカテゴリーでプレーしていても、その才能は際立っている。

 松本ということもあり、ルーキーイヤーから”ネクスト前田大然”との声もあった。本人に聞くと「タイプは違うと思います」と答えていたが、当初は2列目のチャンスメイクも武器として考える選手だったこともある。ストライカーとしてゴールを奪う意識を高めており、似てきているのは確かだ。

 それでも横山は横山。いい意味で恐れ知らずな部分を残しながら技術、判断、強さに磨きをかけていければ”03ジャパン”のエースとして来年のU-20W杯、さらに上の代表にステップアップしていけそうなタレントだ。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)



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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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