「真似はできない」 “スピードスター”宮市亮が森保ジャパンで「凄い」と感じたアタッカーは?
宮市が挙げるチャンスを得るための鍵は「強豪国をリスペクトしすぎないこと」
――海外3か国のサッカーを経験してきて、宮市選手が考える「日本がW杯で成功を収めるために必要なこと」は?
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宮市「うーん、難しい質問です(苦笑)。優勝を争う国はUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝に出るような選手たちばかりなので、日本もそういう風になっていけばチャンスが出てくると思います。ただ、Jリーグもレベルは高いと思いますし、強豪国をリスペクトしすぎないことも大事です。日本にいてチャンピオンズリーグを見ると『凄い舞台だな』と思いがちですけど、実際に海外に行ってみると、『アイツらも人間だな』と感じました。チャンスはたくさんあると思います」
栗原「ブンデスリーガ、プレミアリーグ、エールディビジの試合は今でも見ている?」
宮市「はい、見ています」
栗原「例えばプレミアリーグだったら、どのレベルのチームが来たらJリーグで優勝できる? ウエストハムとか?」
宮市「ウエストハムでもJリーグで優勝できるか分からないですよ」
栗原「えっ、プレミアリーグ7位でも苦戦する感じ?」
宮市「間違いなく上位にはいると思いますけど、優勝できるかというと厳しいかもしれません」
栗原「マンチェスター・シティ、リバプール、チェルシーは少し別格だろうけど、ウエストハムで分からないかぁ」
宮市「ボルトン時代にチェルシーとかマンチェスター・シティと対戦した時は、一方的に主導権を握られて『正直、格が違うな』『これはちょっと勝てないな』という雰囲気がありました」
栗原「俺はF・マリノスにしか所属していなかったけど、Jリーグで絶対勝てないと思うチームはなかったからな。そういう格上と対戦する時はどんな雰囲気?」
宮市「ボルトンの時は残留が懸かっていたので、『1ポイント取れたらいいね』という感じで入っていましたね。あの時のマンチェスター・シティは(元アルゼンチン代表FWセルヒオ・)アグエロ、(元コートジボワール代表MF)ヤヤ・トゥーレ、(イタリア代表FWマリオ・)バロテッリがいて、本当に強かったです」
栗原「じゃあ、ブンデスリーガだったら?」
宮市「どうだろう。バイエルン、ドルトムントは確実だと思いますけど……」
栗原「(3位の)レバークーゼンとかは?」
宮市「結構いい勝負になる気がします」
栗原「エールディビジなら、アヤックス、PSV、フェイエノールトあたり?」
宮市「そのあたりでも苦戦するかもしれないです」
栗原「ごめん、絶対に答えが出ない質問しちゃって(笑)。リーグのレベルとか選手層を踏まえると一概には言えないよね」
宮市「やっぱり気になりますよね(笑)。日本人の諦めない姿勢、粘り強さは、海外では見られないところがあって、一発行かれると、少し気落ちしたりします。Jリーグのように走るスタイルは嫌がると思います」
[プロフィール]
宮市亮(みやいち・りょう)/1992年12月14日生まれ、愛知県出身。中京大中京高―フェイエノールト(オランダ)―アーセナル―ボルトン―ウィガン―アーセナル(いずれもイングランド)―トゥエンテ(オランダ)―ザンクト・パウリ(ドイツ)―横浜F・マリノス。J1通算11試合1得点、日本代表通算2試合0得点。高校卒業後にプレミアリーグの名門アーセナルと5年契約を締結し、Jリーグを経由せずに世界へ。足首の靭帯損傷、両膝の前十字靭帯を断裂するなど、怪我と戦いながら、海外3か国で計10年間プレーした。2021年7月に横浜FMに加入。2年目の今季はケヴィン・マスカット監督の下、スピードを生かしたプレーが随所に見られている。
栗原勇蔵(くりはら・ゆうぞう)/1983年9月18日生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップチーム昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし、最終ラインに欠かせない選手へ成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。
(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)