ブラジル戦で浮かぶ森保Jの論点、必要なのは「三笘タイム」 南野拓実のウイング適性を日本代表OBが疑問視「なぜこだわるのか」
金田氏が挙げた三笘起用のメリット「日本側はチーム全体を押し上げられる」
南野の左ウイング起用に疑問を呈す金田氏は、ドリブルがセールスポイントの三笘を引き合いに出し、ビッグチャンスにつながる可能性について説く。
「南野がサイドで1対1を仕掛ける場面が作れたとしても、どれだけ可能性があるのか。ボールの持ったのが三笘であれば、数回に1回は相手を抜いてビッグチャンスが作れる可能性がある。何度も繰り返すが、これは適性の問題だ。南野自身は一生懸命プレーしているし、やれることをやろうとしていた点は好感が持てる。だが、適性に見合ったサイド起用なのか。その点に疑問が残るということだ」
南野に代わる左ウイングとして推しているのが三笘だ。川崎フロンターレに所属していたJリーグ時代は独特のステップを刻むドリブルで相手を手玉に取っており、ベルギーでもハマった時は手が付けられない無双ドリブラーと化す。金田氏は三笘起用のメリットについて、相手を抜くドリブルだけでなく“時間の創出”も挙げている。
「三笘が仕掛けると相手側の守備ラインを下げることができる一方、日本側はチーム全体を押し上げられる。そういう時間を作れる三笘の存在自体がすごく貴重で、相手を抜ける・抜けないだけでなく、チーム全体を押し上げたりタメを作る時間、言ってみれば『三笘タイム』が日本にとって必要だ」
2日のパラグアイ戦(4-1)、6日のブラジル戦(0-1)を戦い終えた森保ジャパン。10日(ノエビアスタジアム神戸)にガーナ、14日(パナソニックスタジアム吹田)にチリまたはチュニジアと対戦するなか、南野や三笘の起用法にも注目が集まりそうだ。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。