久保建英の“リアルな序列” ブラジル戦出番なし…日本代表OBはどう見る? 「議論する感じではない」
【専門家の目|栗原勇蔵】ブラジル戦で交代カード6枚に選ばれない久保の立ち位置は?
日本代表MF久保建英(マジョルカ)は、6月6日に国立競技場で行われたキリンチャレンジカップ第2戦のブラジル戦で出番がなかった。21歳の期待のレフティーが、王国相手にどれだけやれるのかは興味深いポイントだっただけに、交代カード6枚を使い切ったあとにはSNS上で「出てほしかった」「見たかった」といった声が相次いだ。しかし、元日本代表DF栗原勇蔵氏は、現段階の序列では妥当な采配だったとの見解を示している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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森保一監督は6月2日に行われたキリンチャレンジカップ・パラグアイ戦(4-1)からメンバー8人を変更し、FW南野拓実(リバプール)やFW伊東純也(ヘンク)らが先発。一方のブラジルもFWネイマール(パリ・サンジェルマン)やFWヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード)、MFカゼミーロ(レアル・マドリード)といった主力がスタメンに名を連ねた。
ネイマールを中心とした攻撃に守勢に回った日本だが、GK権田修一(清水エスパルス)の好セーブ連発で前半を0-0で折り返す。森保監督は後半開始からMF鎌田大地(フランクフルト)をインサイドハーフに投入。さらに、後半22分にFW前田大然(セルティック)、同28分にFW堂安律(PSV)とFW三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)を送り込み、フレッシュな選手を入れて攻撃の圧力を上げる。
そうしたなかで後半30分、ブラジルがゴール前に攻め込んだ局面でシュートを打とうとしたFWリシャルリソン(エバートン)にMF遠藤航(シュツットガルト)が寄せたプレーがPK判定。これをネイマールがゆっくりとした助走から権田の逆を突くシュートを決め、後半32分の先制ゴールになった。
日本は後半36分にDF山根視来(川崎フロンターレ)、MF柴崎岳(レガネス)を投入して交代カード6枚をすべて使用。6月4日に21歳となった久保は、ブラジル相手に出場チャンスがなくなった。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。