森保ジャパンの「限界見えた」 日本代表OBが指摘、ブラジル相手に伊東&三笘が封殺「何もできないと分かった」

後半途中から出場したMF三笘薫【写真:高橋 学】
後半途中から出場したMF三笘薫【写真:高橋 学】

【専門家の目|栗原勇蔵】「一昔前の絶望的な差はない」と身体を張った守備の奮闘を評価

 森保一監督率いる日本代表は6月6日、国立競技場でのキリンチャレンジカップでブラジル代表に0-1で敗れた。FIFAランキング1位の王国相手にボール支配率は47.8%対52.2%だったが、シュート数は4対18と圧倒され、決定機と呼べるシーンは作れず。10番のFWネイマール(パリ・サンジェルマン)を擁するブラジルと対戦経験を持つ元日本代表DF栗原勇蔵氏は、期待されたFW伊東純也(ヘンク)やFW三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)の個人技に関して、「今の段階で限界は見えた」と見解を述べた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 日本は6月2日のキリンチャレンジカップ・パラグアイ戦(4-1)からスタメンを8人入れ替え、前線はFW伊東、FW南野拓実(リバプール)、FW古橋亨梧(セルティック)の3人を並べた。

 立ち上がりからブラジルのハイプレスを受けて苦しんだ日本は、前半2分にはMFルーカス・パケタ(リヨン)にゴールポスト直撃のシュートを許し、いきなりピンチを迎えた。それでも、時間の経過とともに、粘りの守備で対抗。前半をスコアレスで折り返した。

 後半も前半同様ブラジルにゴール前へ攻め込まれる場面は多くなったが、同13分に右サイドを突破したDF長友佑都(FC東京)のクロスからあわやというシーンも作り出す。それでも同30分、FWリシャルリソン(エバートン)にMF遠藤航(シュットガルト)が寄せたプレーがPKの判定に。これをネイマールに決められ、この1失点により敗戦となった。

 日本はカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選で4試合連続ゴールを決めた伊東が果敢に仕掛けるもシュート1本に終わり、切り札として途中出場した三笘も肉弾戦でDFエデル・ミリトン(レアル・マドリード)に封じ込まれるシーンが見受けられた。

 2012年10月の欧州遠征でネイマールのいるブラジルとの試合(0-4)に出場した経験を持つ栗原氏は、「一昔前の絶望的な差はなく、守備も身体を張れていた」とディフェンスに関しては一定の評価を与えた。一方、攻撃に関しては、W杯本大会に向けて課題が見えた一戦だったと語る。

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栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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