新鋭DF伊藤洋輝は「間違いなく長友佑都らを脅かす」 日本代表OBが断言…森保ジャパンで「世界レベル」の強み誕生も
パラグアイ戦でも光った高さ「ヘディングの強さも武器の1つ」
金田氏が真っ先に挙げたのは、伊藤のユーティリティー性だ。「センターバック、3バックの左、左サイドバック、ボランチに対応できるユーティリティー能力は、今の代表だけでなく、どのチームでも重宝されるものだ」と言及し、代表デビュー戦でも複数のポジションでプレーした対応力を称えた。
また「左利きで、186センチのサイズも魅力」と力説。大型レフティーのDFは希少性が高く、ヘディングでも強さを発揮する伊藤の存在は攻守においてメリットとなる。「左利き特有のキックの軌道があり、パラグアイ戦でもその特長は生きていた」と振り返り、次のように続ける。
「パラグアイ戦では、コーナーキックから積極的にヘディングで合わせた。シュツットガルトの最終節でも、コーナーキックからニアサイドで伊藤が頭でそらし、最後は遠藤航が決めて劇的な残留を決めた。そういうヘディングの強さも武器の1つだろう」
現在の日本代表には、吉田麻也(189センチ/サンプドリア)、冨安健洋(187センチ/アーセナル)、酒井宏樹(185センチ/浦和レッズ)と大型DFが少なくない。「吉田麻也、冨安健洋、酒井宏樹に加え、伊藤がいたら、最終ラインの高さは世界レベルとなる」と語り、高さも強みになる森保ジャパンに期待を膨らませている。
パラグアイ戦で伊藤が起用された左SBでは、これまで長友佑都(FC東京)や中山雄太(ズウォレ)らがコンスタントに起用されてきた。金田氏は「伊藤洋輝は、間違いなく長友佑都、中山雄太らを脅かす存在になるし、大きな刺激になるはずだ」と断言。果たして、序列に風穴を開ける存在となるのか。11月のカタール・ワールドカップに向けて競争は一層激化しそうだ。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。