森保ジャパン、パラグアイ戦の”主役”は? 英記者が”全てのプレー”を大絶賛「南野拓実のポジションを脅かしつつある」

存在感を見せつけた日本代表FW三笘薫【写真:高橋 学】
存在感を見せつけた日本代表FW三笘薫【写真:高橋 学】

”2軍”パラグアイ相手ではあったものの、「監督を満足させるもの」

 森保一監督率いる日本代表は6月2日、札幌ドームで行われたキリンチャレンジカップでパラグアイ代表と対戦し、4-1の勝利を収めた。一部主力メンバーを控えに回して臨んだなかで前半36分、MF原口元気のアシストからFW浅野拓磨が先制ゴールをマーク。その後、代表復帰を果たしたMF鎌田大地にもゴールが飛び出した日本は、終始パラグアイを押し込んだ。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、チーム3点目を挙げたFW三笘薫を大絶賛。FW南野拓実を脅かす存在だと太鼓判を押した。

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 森保一監督にとってカタール・ワールドカップ(W杯)に向けた準備がこれ以上ない形でスタートした。ほぼ2軍ともいえるパラグアイ相手だったとはいえ、4-1で勝利。クリーンシートであれば完璧だったが、それでも監督を満足させるものだっただろう。

 次にブラジル戦を控える中で、この試合は森保監督にとってフリンジプレーヤー(当落線上の選手)たちに目を配る絶好の機会だった。(6日に)東京で行われる4度の世界チャンピオン(ブラジル)との戦いに向けて、自らを追い込んだ選手もいただろう。

 パラグアイはカタールW杯の南米予選で敗退しており、貧弱だった。日本はレギュラーメンバーの多くを欠く布陣だったにもかかわらず、序盤から鎌田大地のシュートがポストを叩き、浅野拓磨が疲れ知らずの走りで相手を苦しめ続けるなど問題になる場面はなかった。

 パラグアイの攻撃に脅威がなかったため、原口元気は前に出てより攻撃的な役割を担い、遠藤航が1人でディフェンスの前をパトロールするようになった。サムライブルーはしばしば4-1-4-1のフォーメーションでプレーしていた。

 シュツットガルトの遠藤は、吉田麻也と並んで森保監督が完全に信頼している選手であることを証明した。この2人は長い間日本の中心であり、チームの運命が彼らのパフォーマンスに懸かっていることを示してきた。

 最終ラインの右サイドでは山根視来と谷口彰悟が同じクラブで互いに理解し合っていることの重要性を示した。左サイドの伊藤洋輝は失点に絡むミスこそ避けられたものだったにせよ、自信をつけるデビューになった。このレベルのサッカーに触れていくことでさらに成長していくだろう。彼は長友佑都の代役としてのポジションを獲得するチャンスを手にした。

 原口は印象的なプレーを見せ、鎌田はこれまでの代表戦と比べて遥かに期待感を抱かせるプレーを見せた。また、堂安律も持ち前のトリックとフリックを駆使してパラグアイのディフェンスを悩ませていた。

マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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