「インサイドハーフはできる」 鎌田大地、”ビッグクラブでない”フランクフルトで得た自信「苦ではない」
「強いチームは、ああいうところにインサイドハーフが入っていく」
昨年11月以来の日本代表招集となったドイツ1部フランクフルトのMF鎌田大地が、6月2日に行われたパラグアイ戦(4-1)で、存在感を見せつけた。これまでのトップ下ではなく、インサイドハーフで先発出場すると、1-0で迎えた前半42分にはヘディングで追加点を記録。森保ジャパンでは、トップ下の選手のイメージが強いが、「フランクフルトでも何度もやっている」と、涼しい顔を見せた。
ワールドカップ(W杯)アジア最終予選では、インサイドハーフを務めたMF守田英正とMF田中碧が好プレーを見せ続け、本大会出場権獲得の原動力となっていた。6日にブラジル戦が控えているなか、パラグアイ戦で森保一監督は、鎌田とMF原口元気を先発起用。鎌田は1得点、原口も1アシストと2人そろってゴールに絡み、結果を残した。
前半42分、右ウイングに入ったFW堂安律からのクロスに対し、鎌田はヘディングでゴールに決めた。このゴールについて、自身のイメージする、強いチームのインサイドハーフのプレーを体現できたと振り返る。
「インサイドハーフでしたが、前に人数をかけることができていたので、インサイドハーフがあそこに入っていかないとダメだと思っていた。4-3-3のチームと試合をしていても、強いチームは、インサイドハーフの選手がああいうところに入って行って点を取っているイメージがあったから、自分も狙っていた」
イメージ通りのプレーで得点に絡めた一方で、これまでとは異なる選手の組み合わせや配置だったことからの難しさも感じていた。「試合前の映像を見ている限り、もっと自分たちのところが空くかなと思っていた。空いているシーンもあったが、うまくボールをつけられなかったりしたので、前半は『意外と難しいな』と思いながらプレーしていた。探りながら動いていた感じ」と、振り返った。
守田と田中のコンビ以上に、攻撃的な場面で存在感を示せたのではという指摘に対しては、「守田と碧よりは、どちらかというと攻撃的な選手ですし、僕らが出て攻撃力が上がらないと意味がない」と言い、6日に対戦するブラジルのような、より強い相手との試合になると「今日より守備的になる分、僕自身も攻撃と守備の割合を考えないといけなくなる」と、続けた。
とはいえ、強豪を相手にしても、インサイドハーフを務めきる自信は持っている。「普段からビッグクラブにいないので、(レベルが)上のチームとやることがある。そこは調整できる。強いチームとやってみないと分からないが、フランクフルトでもインサイドハーフで何試合も出ている。前から『インサイドハーフはできる』と言っていましたし、トップ下でも、インサイドハーフでも、どちらでも苦ではないというか、どちらがやりやすいとかはない」と、UEFAヨーロッパリーグ(EL)を制したフランクフルトでの経験値を強調した。
ELで世界的な強豪を相手にも、通用する姿を見せてきた鎌田。パラグアイ戦でのパフォーマンスは、本大会でドイツやスペインといった強豪国と対戦することが決まっている森保ジャパンにとって、新たなインサイドハーフの選択肢になり得る可能性を示すに十分なものだった。残り3試合となった6月シリーズ、良いスタートを切った鎌田が、守田と田中のコンビに、どれだけ割って入っていくことができるだろうか。