「いろいろ試すいい機会」 元日本代表DFが予想する6月シリーズ初戦パラグアイ戦のスタメンは?
【専門家の目|栗原勇蔵】ブラジル戦とメンバーを使い分け、組み合わせをテストか
日本(FIFAランク23位)は6月2日、キリンチャレンジカップ、キリンカップの4試合が予定されている6月シリーズの初戦で南米のパラグアイ(同50位)と対戦する。7大会連続のワールドカップ(W杯)出場を決め、残り約6カ月でチーム作りの仕上げにかかるなか、元日本代表DF栗原勇蔵氏は、「いろいろ試す気がする」とW杯アジア最終予選のレギュラーから大幅な入れ替えを予想している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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森保ジャパンはW杯アジア最終予選で序盤に苦しみながらも7勝1分2敗でグループBの2位で終え、7大会連続のW杯出場を決めた。本大会ではスペイン、ドイツという強豪と同組になり、今後の6カ月でチーム力アップを図る。6月シリーズはチーム発足後最多タイのゴール数を誇るFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)が不在で、栗原氏は「W杯出場を決めたので、森保(一)監督も予選を振り返って、何が足りないかを分析しているはず。一回リセットして、何が日本にとってベストなのか探るうえで、いろいろと試すいい機会だと思います」と語る。
6月6日にはFIFAランク1位ブラジルとの対戦を控えており、キリンチャレンジカップの2試合はメンバーを替えて経験を積ませるだろう。ことテストに関しては、王国ブラジル戦ではなく、パラグアイ戦がその場になると見ていい。栗原氏は、シーズン終盤に故障したDF冨安健洋(アーセナル)をはじめ、キャプテンのDF吉田麻也(サンプドリア)やDF長友佑都(FC東京)は“温存”するのではないかと予想する。
「今は権田(修一)が正GK。ベテランの川島(永嗣)は緊急事態に備える想定で、現時点でシュミット(・ダニエル)がどれだけできるか。最終ラインは、麻也と冨安の実力は分かっているし、シーズンが終わったばかりでコンディションの問題もある。右に菅原(由勢)、左に中山(雄太)を使うなら、センターバックはうしろから指示を出して動かせる谷口(彰悟)と板倉(滉)の組み合わせかなと。ただ、(A代表初選出の)伊藤洋輝をセンターバックの左で使う可能性もあると思います」
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。