久保建英、スペイン3年目は“及第点ギリギリ” マジョルカ記者が“後退”を指摘「年々レアルから遠ざかっている」
【現地発コラム】マジョルカベテラン記者2名の久保の“今季採点”は?
スペイン1部マジョルカは、リーガ・エスパニョーラ最終節で1部リーグ残留を決めた。ギリギリの戦いを強いられたチーム、そして今季の日本代表MF久保建英をどう評価するのか。ともに25年以上にわたり記事執筆やラジオ番組でプレゼンターを務めるマジョルカのベテラン記者2人に話を訊いた。
10段階評価でギリギリの合格となる「5」としたのが、ラジオ局「オンダ・セロ」のパコ・ムニョス氏だ。「目標達成したのだから、とりあえず良しとしなければならない。ただ、最終節ですべてを賭けて戦わなければならないというのは、褒められたものではない。だから、ポジティブな点よりも批判的であるべき。クラブは明らかに補強でミスを犯したし、それを重く受け止めるべきだろう」と語った。
もう1人、サッカー専門誌「ドン・バロン」や一般紙「ラ・バングアルディア」で記者を務め、通信社「エフェ」やラジオ局を含めて45年以上メディアに関わっているマティアス・アドロベール氏も同じく「5」としている。「最後まで2部落ちの危険があった。開幕から2勝1分けでスタートしていただけに尻すぼみ感がある」と触れている。
久保について、アドロベール氏は不安定な出来だったとしいている。
「ワンダ・メトロポリターノでのアトレティコ・マドリード戦で決定的な活躍をしたが、安定して力を発揮することはなかった。周囲はもっと多くのものを彼に期待していた。監督がハビエル・アギーレに変わり、チームが守備的な戦いをするなかで彼が出場機会を減らして行ったのは守備的な役割を全うできなかったから。例えば(コソボ代表FWベダト・)ムリキは冬の市場に加入して攻撃では5得点したが、同時に守備でもしっかり貢献した。久保にそういったものはなかった。そのあたりがチームの中で多くの役割を与えられなかった理由ではないか」
島田 徹
1971年、山口市出身。地元紙記者を経て2001年渡西。04年からスペイン・マジョルカ在住。スポーツ紙通信員のほか、写真記者としてスペインリーグやスポーツ紙「マルカ」に写真提供、ウェブサイトの翻訳など、スペインサッカーに関わる仕事を行っている。