湘南×神戸、イニエスタの直接FK弾はなぜ幻に? 家本政明氏が見解「武藤選手とタリク選手の話は分ける必要がある」
後半アディショナルタイム、神戸に劇的同点弾が生まれたと思われたがVAR介入で取り消し
スポーツチャンネル「DAZN」の人気番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、J1リーグ第14節湘南ベルマーレ対ヴィッセル神戸(2-1)の後半アディショナルタイムに、神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタの直接FK弾が取り消されたシーンを検証。元国際主審の家本政明氏は、「競技規則上ノーゴール」との見解を示している。
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「Jリーグジャッジリプレイ」の最新回で取り上げられた一つは、神戸の1点ビハインドで迎えた後半アディショナルタイム9分の判定だ。ペナルティーアーク左後方からイニエスタが放ったシュートは湘南FWタリクに当たり、さらに神戸FW武藤嘉紀に当たって湘南ゴールに吸い込まれた。
劇的同点ゴールかと思われたが、今村義朗主審がビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)と交信。武藤のハンドを取り、神戸のゴールは幻と消えた。神戸はイニエスタや武藤、DF大﨑玲央が猛抗議したが判定は覆らず、1-2で敗れる形となった。
神戸は複数の選手が審判に執拗に抗議したとして、5月24日にJリーグから罰金50万円が科されるなど、注目を集めたシーン。家本氏はまず、武藤の腕に当たってゴールに入ったことについて、「偶発的であってもGKを含めて自分の手や腕から直接、あるいは自分の手や腕に触れた直後に入ったのが得点かどうかは、競技規則上ノーゴール」と断言。そのうえで、武藤に当たる前の湘南FWタリクがハンドに該当するかについても見解を述べている。
「(ボールは)間違いなくタリク選手に当たっています。腕と肘の感じが身体から付いているのか離れているのか。これは大きなポイント。映像で見る限り、ボール方向に手は動かしていない、かつ手は自分を守るためにしっかり付けてあるところにボールが来て、肘に当たって方向が変わった。競技規則上はハンドリング・オフェンスにはならない」
オンフィールドレビューがなかったことに関しては、「オンフィールドレビューを推奨しているが、テクニカル上間違いはない」と説明。そして、「武藤選手の話とタリク選手の話は分ける必要がある」と言葉を続けている。
「武藤選手のシチュエーションは前段階がどういう状況であれ残念ながらダメ(ノーゴール)。タリク選手の肘のあたりに当たったことが十分ハンドの反則と言えるのかどうか。VARチームがハンドとは断定できないと判断したのは納得できる。これをハンドリング・オフェンスがないよと言っても、ファン・サポーターを含めて『いやいやいや』というシーン。ただ、競技規則に則ると、ハンドリング・オフェンスではない」
際どい判定ではあるが、競技規則上はノーゴール判定で正しかったと解き明かしていた。