“パリ五輪世代”のU-21日本代表、“海外組”チェイス・アンリ&斉藤光毅ら「大注目7人」厳選
“湘南タイガー”の異名を持つ畑は、国際舞台で活躍が期待できる1人
■畑 大雅(DF/湘南ベルマーレ)
“湘南タイガー”の異名を取るパワーとスピード、そして尽きないスタミナを持ち合わせたサイドのハンターだ。彼も身体能力を前面に押し出すプレーが目に付いていたが、湘南でポジショニングや切り替え時の判断を磨き、相手のキーになるサイドバックやウイングバックの選手を確実に捕まえて、ボールを奪えばチャンスの起点になる。
アウェーで衝撃的な4-0勝利を飾った川崎フロンターレ戦(5月25日)でも、左ウイングのFWマルシーニョ、さらにサイドバックのDF佐々木旭を封じ込めた。攻撃でも直接ボールに触らなくても、相手のマークを引きつけるなど効果的な動きが目を引く。強いて言えばクロスの精度やバリエーションに課題を残すが、国際舞台で活躍が期待できる1人だ。
■鈴木彩艶(GK/浦和レッズ)
浦和ではGK西川周作という分厚い壁はいるが、AFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の舞台で大きな存在感を見せた。本人が強みと主張する、誰よりも身体が伸びるセービングは国際基準で照らし合わせてもスペシャルであり、そこにポジショニングやキャッチングの技術なども付いて来ているように見える。さらに特筆するべきは後ろからのコーチングだ。
もちろん、GK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)やGK佐々木雅士(柏レイソル)もハイレベルで、この代表でもポジションが確立されているわけではないが、東京五輪を経験した選手としてもパリ五輪に向けて、しっかりとチームを支える守護神になっていくことを期待したい。
(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。