久保建英、今季リアル評価&来季レアル復帰の可能性は? マジョルカ地元記者の見解「大きな問題も残されている」
レアル復帰時のポジション争いは熾烈、最も適しているのは右ウイングか
来季のレアル・マドリード復帰の可能性については「タケがそれを望むのなら、もっと継続してチームに貢献しなければいけないだろうね。今季は断続的なプレーが目立っていたので、シーズンを通じてコンスタントに良いパフォーマンスを発揮し、安定して高いクオリティーを示すことが重要だ。でもマドリー復帰については、EU圏外枠という大きな問題も残されているけどね」と懐疑的な意見を持っていた。
マジョルカでのシーズンを終えた今、夏には再び去就の話題で盛り上がることになりそうだが、同記者の言うように、保有元のレアルのEU圏外枠は現在、ブラジル代表3選手(ヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴ・ゴエス、エデル・ミリトン)に占められており空きはない。
マジョルカが久保残留を望んでいるという報道も出ているが、ヴィニシウスのスペイン国籍取得が間近とも言われている。そのため、空いたEU圏外枠で久保がレアルのメンバーに加わると想定した場合、マジョルカでのポジションとカルロ・アンチェロッティ監督の採用している4-3-3のシステムを加味すると、最も適しているのは右ウイングとなるだろう。
そこは現在、アンチェロッティがチャンピオンズリーグ(CL)決勝に向け、唯一頭を悩ませているポジションである。その有力候補は縦への推進力と中盤を幅広くカバーできるエルネスト・バルベルデ、決定力で急成長を遂げ、チームをCL決勝へと導いた救世主のロドリゴの2人。さらに久々の代表復帰を果たしたマルコ・アセンシオ、足首のプレート除去手術を終えアンチェロッティに来季の復活を期待されるエデン・アザール、ユーティリティープレーヤーのルーカス・バスケスなども控えているため、ポジション争いは熾烈を極める。
ワールドカップを半年後に控えるなか、6月4日に21歳の誕生日を迎え、レアルとの契約が残り2年を切る久保が今夏、どのような決断を下すかに再び注目が集まるだろう。
(高橋智行 / Tomoyuki Takahashi)
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。