フランクフルトのEL優勝、大谷翔平のホームランより扱いが小さくないか? 日本人2選手が歴史的快挙も拭えない“分かりにくさ”
ELは扱いがイマイチ、それでも参加チームや優勝チームにとって意義は大きい
ELとはどういう大会なのか、位置づけがよく分からないので日本のメディアの扱いがイマイチになるのは無理もなく、ヨーロッパでも事情はそう変わらない。ただ、参加チームにとって、さらに優勝チームにとっての意義はとてつもなく大きい。
フランクフルトは準々決勝でFCバルセロナに勝ち、準決勝でウェストハムを下した。バルセロナに勝ったのは歴史的快挙だろう。さらに来季のCL出場権を得られ、スーパーカップではCL王者と戦うことになる。収入面でも非常に大きい。EL優勝はクラブの歴史を変える出来事なのだ。
フランクフルトのサポーターたちがスタジアムをユニフォームのカラーである白に染め上げる様は、何よりこのタイトルの意味を雄弁に語っていた。たとえCLほど注目されなくても欧州タイトルに変わりはない。EL最多優勝はセビージャの6回、昨季は人口4万人のビジャレアルが優勝している。優勝できるクラブが事実上一部のビッグクラブに決まっているCLと違い、中堅規模のクラブでも欧州王者になれる夢のある大会でもあるのだ。
(西部謙司 / Kenji Nishibe)
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西部謙司
にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。