WEリーグ、初代得点王は浦和L菅澤優衣香 土壇場で2ゴールに指揮官は絶賛「千両役者」
INAC神戸FW田中美南との“デッドヒート”を制した
日本初の女子サッカープロリーグ「WEリーグ」の三菱重工浦和レッズレディースFW菅澤優衣香は、5月22日に行われたリーグ最終節の日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦で2得点した。これで通算14得点として、WEリーグ初代得点王に輝いた。
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菅澤は前節終了時に12得点でランキングトップに立っていたが、全会場で同時キックオフだった最終節の前半を終えた時点でINAC神戸レオネッサのFW田中美南が2ゴールして通算11得点まで伸ばしていた。それを受け菅澤は「ハーフタイムの時点で田中選手が2点決めているのを知っていたので、自分が決めないと、という気持ちにもなった」と話した。
そうしたなかで浦和は後半、ベレーザに2点をリードされる展開になったものの、後半29分に菅澤がPKをゴール右に決めた。そして、同41分には前線のパスワークからボールを受けた菅澤が相手GKの頭上を鮮やかに超えるループシュートを決めて同点。2-2で引き分けた。神戸の田中は後半にも1ゴールしてハットトリックを達成したものの、菅澤がリードを守り切る形での得点王となった。
試合後の菅澤は「PKはしっかり入ってよかった。2点目は相手のディフェンスも寄せていなくて、GKも少し前に出ていたので落ち着いて決められた」とゴールを振り返り、「一番はチームが優勝したうえで(個人タイトルを)取れたら嬉しいけど、自分の仕事はしっかりできたと思う。チームメイトが良いアシストをしてくれて得点できている」と笑みを浮かべた。
浦和はアマチュア最高峰としての最終シーズンになった2020年のなでしこリーグで優勝し、今季はWEリーグ初年度で2位。菅澤はプロ化をまたいだとはいえ、2シーズン連続の得点王になった。浦和の楠瀬直木監督は「この土壇場でのPKとループシュートは千両役者。指導してみて感じるのは、ミートの上手さ。指導したことのある岩渕(真奈/アーセナル)と負けず劣らずで上手。自分にストイックな部分があり、まだ鍛えていって世界で戦える選手になっていってほしい」と話した。
全20試合のリーグ戦のうち12試合でゴールするコンスタントな活躍が光った菅澤は、日本女子サッカー初のプロリーグとなったWEリーグ初代得点王として名を刻んだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)