アーセナル冨安を「誰もサポートしない」 クラブ英雄が懸念、若き“ガナーズ”の課題とは?
有望な若手タレントが揃うアーセナルへ、DFマーティン・キーオン氏が問題点指摘
日本代表DF冨安健洋が所属するアーセナルは今季トップ4入りが難しい状況に追い込まれている。クラブのレジェンドとしても知られる元イングランド代表DFマーティン・キーオン氏は大きな若返りを果たしたアーセナルが抱える問題点を指摘している。英ラジオ局「talk SPORTS」が報じている。
今シーズン、開幕3連敗という悪夢のようなスタートを切ったミケル・アルテタ監督率いるアーセナルだが、その後はなんとか持ち直し、4位までに与えられるUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得に向けて上位争いを続けていた。
しかし、前節のニューカッスル戦で0-2と敗北。この最終盤に痛恨の連敗で、最終節を前に5位に転落した。4位トッテナムとの勝ち点差は「2」となり、トップ4入りへ厳しい状況に追い込まれている。
現在のアーセナルには将来有望な若手タレントが揃い、彼らがチームの中核を担う一方、経験豊富なベテラン選手は少ない。アーセナルで3度のプレミアリーグ制覇を成し遂げているキーオン氏は「先日、私はイアン・ライトやティエリ・アンリ、ニコラ・アネルカについて話していた。彼らは試合に勝てるという信念を選手たちに与えてくれる。(エディ・)エンケティアも素晴らしい仕事をしているが、彼はあくまで2番手のストライカーであり、ファーストチョイスではないことは分かっている」と歴代のスター選手を引き合いに出しつつ、若い選手を助けられる経験豊かな選手の必要性を主張している。
「アーセナルは今シーズン、プレミアリーグで最も若いチームだ。それは素晴らしいことだが、彼らには経験も必要だ。彼らを見ていると問題が浮き彫りになっている。あなたは監督をしたことがないと言われるかもしれないが、私は成功したチームにいたから分かる。戦術的な話でいえば、ニューカッスル戦では選手たちが深い位置を取り過ぎていて、選手たちがみな個人としてプレーしていた。
冨安は野ざらしにされ、誰も彼をサポートしていなかった。クラブを支えているのは若手選手たちだが、この非常に若いグループにははある程度の経験を持った選手を加えなければならないのは明らかだ。この夏にはそれが行われると思うが、5位で終われば、それは私にとってもファンにとっても大きな失望になるだろう」
キーオン氏は前節のニューカッスル戦で露わになった問題点として、冨安に対する周囲のサポートが見られなかったことを挙げつつ、今のアーセナルにはチームとしてのまとまりを欠いていると指摘している。
今年1月には元キャプテンのFWピエール=エメリク・オーバメヤン(バルセロナ)が退団。今季終了後にはFWアレクサンドル・ラカゼットも契約満了を迎え、チームを去ることが濃厚となっている。昨夏は冨安など20代前半の選手を大量に補強して一定の成果を挙げた“ガナーズ”だが、チームとしてもうひと回り成長するためには別のアプローチから選手の獲得に動く必要があるのかもしれない。
(FOOTBALL ZONE編集部)