久保建英のレアル復帰は「簡単なことではない」 スペイン紙番記者が推奨する新チーム候補は?
マルティン記者は久保のレアル復帰に懐疑的「ビジャレアルのようなクラブでプレーするのがベスト」
「タケは高いクオリティーと素晴らしい才能を備えており、さらにイマジネーション豊かな選手だ」とその実力を認めつつも、「しかし、近年のレンタル期間中に、レアル・マドリードのメンバーにふさわしいほど成長できたかというと、それは疑わしい。まだサンティアゴ・ベルナベウで自分の居場所を作れるほど重要なプレーヤーへの飛躍を遂げてはいないと思う」とパフォーマンスになんらかの物足りなさを感じているようだ。
さらに、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)最多13回の優勝を誇るレアル・マドリードのポジション争いが熾烈であることも久保の復帰を妨げる原因のひとつであると考えている。
「久保のライバルとなるのは、加入濃厚と言われる(キリアン・)ムバッペのようなワールドクラスの選手たちや、ヴィニシウスやロドリゴのように急激な進化を遂げている選手たちだ。また絶対的エースの(カリム・)ベンゼマが健在で選手層も厚いため、前線に空きはほとんどないと言っていい。タケはこれまでレンタル先でいいプレーをしていたし、ゴールを決めることもあった。しかしパフォーマンスは断続的で、マドリーに戻れるほど華々しい活躍ができているとは言い難く、そのような選手たちとポジション争いできるほどのプレーヤーにはまだなれていない」
来季もレンタル移籍でプレーすると仮定した場合、レアル・マドリード復帰を目指す久保に適したクラブを聞いてみると、「昨季は失敗したが、私はやはりビジャレアルのようなクラブでプレーするのがベストだと思う。そのようなレベルのクラブにはリーガを代表するような選手たちがいるので、タケはスター選手としての役目を担う必要などなく、余計な責任を負う必要もない。リラックスした状態でプレーできるので彼の成長につながると思う」と、再びワンランク上のクラブで挑戦し、落ち着いた環境の中でプレーするのが大事だと結論づけた。
久保は5月22日に残留を懸け、オサスナとのリーガ最終節に臨み、今季の全日程を終了する。
(高橋智行 / Tomoyuki Takahashi)
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。