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原口元気、大躍進ウニオン・ベルリンで本格派MFに成長 ベンチの“葛藤”を乗り越え欠かせない存在へ「もう1個先に」
「まだ信頼はされていない」から終盤には3戦連続スタメン起用
自分が出られなくてもチームのためにできることをする。でも、言葉にするほど簡単なことではない。選手も人間だ。「なんで俺が出られないんだ」という葛藤だってどこかで生まれる。今季30試合2ゴールの原口にもそうした思いはあると話していた。
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「自分的にはでも全部出たい。本当に重要な5、6人の選手は変わらず出ているから。何とかそっちに入っていきたいと思っているんですけど、まだそこへの信頼はされてない。(監督は)15、16人の選手で回しているけど、その中には入っているから、もう1個先に行きたいなって」
昨年のマインツ戦後、そんな話をしていた。選手には選手の願いがある。でも、出られないことを誰かのせいにしたり、そのためにチームの勝利を祝えないような自分ではありたくはない。シーズンを通してチームとして戦う。原口は、そしてウニオンはそれを実現することができたから、ここまでの戦績を残すことができたのではないだろうか。
終盤の大事な3試合で連続スタメン起用されたことは何より監督からの信頼の証だ。ウニオンとして試合に臨むうえで原口は欠かすことのできない大事な存在となっている。ブンデスリーガ昇格3年で2度目のEL出場を果たしたクラブでレギュラー格の選手として来季はさらなる飛躍を狙う。
(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)
中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。