森保ジャパン入り推薦、アジア最終予選“未招集”の7人 下剋上の可能性十分…序列を覆し得る有望株は?
【識者コラム】6月&9月の代表メンバー入りへ推したいタレントをセレクト
森保一監督は6月に行われるキリンジャレンジカップ(パラグアイ戦/2日、ブラジル戦/6日)とキリンカップ(ガーナ戦/10日、チリorチュニジア戦/14日)、合計4試合のメンバー発表を前に、オンラインでのメディアブリーフィングを行った。
「国内組、海外組ではなくて、代表招集ということで、最終的には絞り切ってないところはありますけど、そこで招集するということで、特に国内組という意識はしてない」
そう語るように欧州視察から直近のJリーグ視察、スタッフとの協議を重ねながら30人前後のメンバーに絞り込みたいという。もちろん、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の主力メンバーであっても怪我人やコンディションに不安のある選手は今回の招集から外れる可能性もある。
しかしながら、これまで東京五輪世代を含めて“1チーム2カテゴリー”というコンセプトでやってきたなかで、一度は招集した選手にアドバンテージがあるのは間違いなさそうだ。
年始の代表候補合宿も含め、最終予選の期間に未招集の選手から6月の4試合、さらに9月の2試合を含めてメンバー入りが期待できる有力候補を国内外問わず、筆者の目線で選んだ。
■鈴木優磨(鹿島アントラーズ/FW)
国内組における森保ジャパン未招集のFWで最も代表入りの資格がある選手だろう。J1リーグでFWピーター・ウタカ(京都サンガF.C.)、同僚のFW上田綺世(ともに8得点)に次ぐ6得点という結果もさることながら、フィニッシュ周りの仕事はもちろん、試合中に見せるリーダーシップやスピリット、ハーフタイムの叱咤激励など、代表に必要なものを持ち合わせている。
森保一監督も「候補としては観てます」と語っており、あとは怪我から復調したFW古橋亨梧(セルティック)をはじめ、FW林大地(シント=トロイデン)、FWオナイウ阿道(トゥールーズ)といった招集歴のある選手やシント=トロイデンで急成長したFW原大智との兼ね合いで決まってくるはずだ。いずれにしてもJリーグでは鹿島で2トップを組む上田を除き、同等のパフォーマンスを見せているFWは見当たらない。
■伊藤洋輝(シュツットガルト/DF)
「洋輝は1シーズン、レギュラーとして出続けた」という森保監督の評価のとおり、インテンシティーの高いブンデスリーガでフルシーズン、センターバックの主力として出続けたクオリティー、タフさは十分に招集に値する。
ジュビロ磐田時代は中盤と併用して起用されていたが、MF遠藤保仁とのプレーで学んだゲームコントロール、持ち前の左足キックは後ろのポジションでも生かされている。そしてカタールW杯でも対戦するかもしれないドイツ代表やワールドクラスのアタッカーにも怯まず挑み、抑えたことは高く評価されるべきだ。
心配されるのはA代表の経験ぐらいだが、実は2018年の東京五輪を目指す森保ジャパンの初期メンバーであり、ラージグループとして森保監督も長く追跡していた節がある。スイス1部のグラスホッパーで活躍するDF瀬古歩夢など気鋭のライバルもいるが、ここで満を辞して招集されても何らおかしくなく、一度選ばれば一気に序列を覆せるポテンシャルの持ち主だ。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。