堂安律がオランダで掴んだ名声 ドイツ移籍報道も「PSV内部の評価は高い」…現地の“リアル評”とは?
出番を掴み、結果を残した堂安に「フローニンゲン時代が戻ってきた」の声
堂安はKNVBカップ決勝戦直後の専門誌のインタビューで、こう語った。
「今日の僕たちの公開トレーニングを見ましたか? みんな笑っているけれど、鋭さもある。本当にひとつのチームなんです。この一致団結したところが、うちのチームの力です。アヤックスとの決勝戦でも、その姿を見ることができたんじゃないでしょうか。僕たちは本当にひとつにまとまっているんです」
今季最後の出番となったリーグ第33節のNEC戦(3-2)では、MFイブラヒム・サンガレとセントラルMFコンビを組んで、中盤の底でフィルター役となったり、相手のチャンスの芽を摘んだりしながら敵のバイタルエリアに侵入。前半26分には相手の意表を突く豪快なミドルシュートを決めて、チームに先制点をもたらした。
オランダリーグ出場24試合で8ゴール。KNVBカップ、ECLを含めると11ゴールを決めた23歳に「フローニンゲン時代の堂安が戻ってきた」という声をスタジアムで聞く。地元紙「アイントホーフェン・ダッハブラット」は「必ずしもレギュラーとは言えない堂安だが、PSV内部における評価は極めて高い。来季もこのまま成長し続ければ、中心選手になるだろうと期待されている」と報じている。
オランダでも「マインツと堂安が移籍に合意」というドイツ紙「ビルト」の記事が報道されたか、すぐに「関係者が否定した」と伝えられた。PSVと堂安の契約はあと2年残っている。オファーの内容次第では売却に応じる構えだが、無理して売る必要もない。来季もPSVに残ってプレーすることになるのなら、すぐに契約延長の交渉に入るはず——というのが地元紙の予想だ。
(中田 徹 / Toru Nakata)
中田 徹
なかた・とおる/1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグなどを現地取材、リポートしている。