初戦の守備崩壊から手倉森Jをいかに立て直すか アテネ五輪代表主将が語る「12年前の教訓」

「初戦で勝てずいろいろ考えると思うけど…」

「守備の整備ということで、いろいろな確認はあると思うけど、それよりも結果的には気持ち的な部分だと思う。いかにシンプルに『勝つ』ということを考えられるか」

 そして今こそ日本の持つ武器であり、原点に立ち返るべきだと那須は話す。日本代表が岡田監督に率いられ、同世代の盟友である闘莉王が守備の中心として決勝トーナメント進出を果たした10年南アフリカ・ワールドカップを例に出して語った。

「なぜ南アフリカの日本代表がうまくいったかは、トゥー(闘莉王)もそうだったけど、自分たちの立場や実力を受け入れて、チームで戦うんだということを徹底して団結したからだと思う。初戦で戦ったナイジェリアを見ても、個人能力で秀でている部分があった。日本の良さはチームワークや団結力だし、それを出すには気持ちの部分が必要。初戦のことがあるので悪いイメージはあるはずだけど、いかにポジティブに持っていけるかが次の試合では大事だと思う」

 それとともに、自身がキャプテンとして経験した思いを胸に、手倉森ジャパンのキャプテンとしてプレーしている浦和のチームメート遠藤航に対しても、気遣う言葉を並べた。

「キャプテンということで、どうしても初戦を勝てないといろいろ考えてしまうと思うんですよ。ただ、あの大会は選ばれた者しか出られないし、年代も決まっている。日の丸を背負うのも簡単なことではない。だからこそ、楽しんでほしい。日の丸ということを一度置いて、シンプルにピッチで頑張る、楽しむ、勝つということだけをやってほしい。それは、僕が経験したことです。まだ、次に勝てば可能性がありますから。こういう状況だからこそ、これをチャンスだと捉えてほしい。一人ではなく、みんなで良い雰囲気を作ってほしい」

 

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