GK最多出場記録更新の南雄太、転機は“30歳契約満了”「必要とされなければ終わる」 監督や同僚が証言する遠藤保仁との共通点
契約満了で心境の変化、「100%必死」「一瞬でも隙を見せない」サッカー中心の生活
南が当時を振り返る。
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「必要とされなければ『ああ終わるんだな』って。それはすごく自分の中で大きかった。だから何年先というよりも目の前のことを100%必死でやって悔いがないようにしようというのはすごく熊本の時から感じるようになった。サッカー中心の生活、やれることは全部やろうと思った」
そこからは「本当に1日1日の積み重ねしかない。1試合1試合、結果を残し続けないといけないとずっと12年間やってきた」と南。チーム内競争への意気込みもより貪欲になった。「言い方は悪いがほかの選手にチャンスを与えたら、いつ自分にチャンスがくるか分からない。一瞬でも隙を見せないようにしようと」と濃密な日々を過ごすように。
自身が若手だった頃は「クラブの後押しや期待を18歳の時はすごく感じていた。チャンスがあれば使ってあげようみたいな」との空気があった。「歳がいけばいくほど同じ力や少々劣っていても若い選手に未来があるなら使うのは当然、自然な流れ」。長く第一線で戦ってきたからこそ分かるサジ加減を意識しながら必死に練習を重ねた。
その一方、“引退”の2文字を覚悟する出来事もあった。
※第2回へ続く
[プロフィール]
南雄太(みなみ・ゆうた)/1979年9月30日生まれ、神奈川県出身。武蔵ヶ丘FC―読売日本SC Jrユース―静岡学園高―柏―熊本―横浜FC―大宮。J1通算266試合、J2通算395試合出場。99年のワールドユース(現U-20ワールドカップ)で高原直泰、小野伸二、遠藤保仁らと共闘し、準優勝に貢献。ルーキーイヤーから22試合に出場し、以降もコンスタントにプレー。的確なポジショニングやコーチング、相手との巧みな駆け引きに定評があり、安定したパフォーマンスが光る。
(松澤明美 / Akemi Matsuzawa)
松澤明美
まつざわ・あけみ/埼玉県出身。大学でスポーツ新聞部に所属し、その傍ら女子サッカー部を立ち上げた。卒業後は広告代理店、地元新聞社を経て、フリーランスに。新聞社では2010年途中から16年まで大宮アルディージャを担当した。現在はタグマ!にて『大宮花伝』(大宮応援メディア)を運営し、“旬”の情報を届けている。