リバプールが銀河系軍団に大敗 ロジャーズに見切られた悪童

バロテッリを見切ったロジャーズ

 しかし、この試合で全く収穫がなかったわけではない。ブレンダン・ロジャーズ監督は後半開始からイタリア代表FWマリオ・バロテッリに代え、イングランド代表MFアダム・ララーナを投入。イングランド代表FWラヒーム・スターリング、ブラジル代表MFフェリペ・コウチーニョとの3トップへと移行させた。
 細かなステップを得意とし、サイドでも中央でも勝負できる。その3人を最前線に置いたことでチームに流動性が生まれ、攻撃にバリエーションが増えた。負傷中のエースであるイングランド代表FWダニエル・スターリッジが不在だが、現状ではこの組み合わせが最も攻守での機能性が高いことを実証した。
 前半のみの出場となったバロテッリは、この試合でもインパクトを残すことができなかった。加入から10試合で1得点と、いまだチームに貢献する働きができていない。ロジャーズ監督は、インタビュー後にこう語った。
「交代は戦術的な理由だ。ララーナは疲れ知らずの運動量を誇る。リバプールでの最低限の仕事はプレッシング、そして貢献だ。若いアダムは投入と同時にその姿勢を示していた」
 その発言は、運動量の少ないプレーが無気力にも映るバロテッリへの痛烈なメッセージにも聞こえた。
 バロテッリへの批判は、クラブ内外からも寄せられ始めている。試合後、リバプール元主将のジェイミー・キャラガー氏には「バロテッリの獲得は、パニック・バイだ」と、酷評された。指揮官からは「ビッグクラブでプレーする最後のチャンス」とくぎを刺される中、悪童はこの崖っぷちの状況を打破できるのだろうか。
 一方で、ロジャーズ監督はバロテッリを外した後半の3トップに巻き返しの糸口を求めていくはずだ。レッズと、バロテッリは今後も耳目を集めるだろう。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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