鍵は「ハードワークできる」選手 闘莉王、低迷の神戸に“復活の道”を提示「スターをベンチに座らせないと」
【独占インタビュー】大型補強でタレント揃いの神戸に足りないものを指摘「汗かき屋が少ない」
J1ヴィッセル神戸は元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ、FW大迫勇也、FW武藤嘉紀、MF山口蛍、DF酒井高徳らタレントを擁しながらも、今季リーグ戦11試合未勝利(4分7敗)に終わっている。元日本代表DF田中マルクス闘莉王氏は、FOOTBALL ZONEのインタビューに応じ、神戸の状況を分析。現状を打破するために、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)直前の4月に就任したミゲル・アンヘル・ロティーナ監督へ“要求”をした。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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豪華な面々が並ぶ神戸の選手。だが、結果はまるでついてこない。昨季はクラブ史上最高の3位でフィニッシュし、ACL出場権を獲得。そんなスター軍団を抱える神戸がここまでJ1リーグ開幕から11試合未勝利で最下位に沈んでいる。闘莉王氏はこの要因の1つに昨夏セルティックへ移籍した日本代表FW古橋亨梧の存在を挙げた。
「(古橋の抜けた穴は)でかい。大迫を連れてきても同じことができるとは思わない。タイプも違うし。武藤もタイプは少し似るかもしれないけど、実力的なところは正直なところ古橋のほうが上」
開幕からクラブを率いていた三浦淳寛前監督を成績不振で解任し、4月に招聘されたのがロティーナ監督。エスパニョール、レアル・ソシエダ、デポルティーボなど母国クラブの指揮官を歴任し、日本では2017年以降、東京ヴェルディ、セレッソ大阪を指揮した。昨季は清水エスパルスの監督に迎えられたが、シーズン序盤から低空飛行が続き、残り4試合の終盤戦で契約解除となった。ロティーナ監督にとっては、Jリーグで4クラブ目の指揮。神戸の“復活”に期待が懸かるなかで、闘莉王氏は指揮官に求めることがあるという。
「こういうチームっていうのはものすごくバランスが取りにくい。攻撃に偏る。みんなボールを持ちたい人ばかり。汗かき屋、汚れ仕事する人が少ない。例えばイニエスタの横に山口がいたりするけど、山口だけじゃ足りない。もっと中盤にボールを奪いに行ける、取りに行ける選手を置かないといけない。山口だけじゃみんなのカバーをしきれない」
そう話すと、スペインの名門レアル・マドリードを例に挙げた。2000年代前半、各国のスーパースターが所属し、“銀河系軍団”と評された。元フランス代表MFジネディーヌ・ジダンや元ブラジル代表FWロナウド、元ブラジル代表MFロベルト・カルロスらを擁しても勝てない時期があった。これはなぜだったのか。