「日本サッカーを日本化する」 日本代表・森保監督、オシムの“名言”が自身のベース「運動量多く賢く走る」
森保監督がオンラインで取材対応し、オシム氏について語った
日本代表の森保一監督が5月9日にオンラインで取材に対応。先日に亡くなった元日本代表監督イビチャ・オシム氏が日本サッカーに残したものについて「日本のプレーモデルを確立することを提言してくれた」として、今の自分にもそれが生きていると話した。
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オシム氏はオーストリアの名門シュトルム・グラーツやユーゴスラビア代表(当時)を率いた世界的な名将として知られ、2003年にジェフユナイテッド市原(当時)の監督に就任して来日。2006年のドイツ・ワールドカップ(W杯)後に日本代表監督に就任した。その当時に「日本サッカーを日本化する」という言葉を残したが、その考えは今の森保監督にも大きな影響があるという。
「日本のサッカーに生きている部分、私も生かさせてもらっているものを振り返ってみれば多々あるけれども、まず日本人はもっと自信を持って自分たちができるというのを出した方が良いのではないかということ。日本サッカーに向けて言ってくれた日本化、日本のプレーモデルを確立することを提言してくれたと思う」
オシム氏の名言として知られる「考えて走るサッカー」に代表されるような、知性や戦術と運動量の両立は現代サッカーでもベースにある。森保監督はそこに日本人の良さが乗せられるという確信を話し、「組織力は絶対的に日本に必要で、日本の良さ」という信念とオシム氏の残したアイディアがつながる部分をこう話している。
「チームとして運動量多く賢く走るのは絶対的に必要かなと思う。まずは組織力を生かせるように、個々が状況に合わせて運動量多く走るのが必要だと思う。アジリティ、モビリティ、ヨーロッパで活躍する選手を見れば日本人の良さを生かせる。個々の良さも持っているけど、つなぐ能力も持っている。周りの状況を見て自分が人と人をつなぐ、チームをつなぐことを予測する、察する能力があると思う。技術力は間違いなく高いので、高い技術力をより走って組織的に戦うことでチームとして生かしていけるようにしたい」
オシム氏が日本代表監督に就任した当時、森保監督はU-19日本代表のスタッフを務めていた。そして、当時にオシム氏の呼びかけで各育成年代のスタッフを集めてのミーテイングも開催されるようになったと話し、「当時も育成を大切にして下さった」と話す。その翌年のU-20W杯に出場したメンバーからは、DF内田篤人やMF香川真司といったその後の日本代表やヨーロッパでも活躍する選手が輩出された。
2010年南アフリカW杯を目指すチームを作る途上で2007年に無念にも脳梗塞に倒れて日本代表監督から退いたオシム氏だが、その考えや思いは今の日本サッカー、森保監督の中にも受け継がれている。
(FOOTBALL ZONE編集部)