パリ五輪世代のU-21日本代表、“サバイバル合宿”で最大級の“期待”FWとは? 「注目10人」を選出
J1で出場機会を伸ばしつつある新鋭たち…青森山田高出身の松木や“どんぐり”中島ら注目株も
■山田楓喜(京都サンガF.C.)
今年3月にYBCルヴァンカップの鳥栖戦でプロ初ゴールを決めると、4月のヴィッセル神戸戦で終盤に投入されて、J1初シュートがゴールとなった。その後もハイスケールな攻撃的MFとして京都で存在感を高めているが、代表招集はU-15日本代表以来。広い視野と左足のキックを備えており、サイドアタッカーとしても機能できる。同年代の川崎颯太がトップチームの主力に定着、パリ五輪世代でも有力候補にあがるが、切磋琢磨して駆け上がれるか。
■本田風智(サガン鳥栖)
鳥栖アカデミーの同期である松岡大起とともに、アンダー代表に選ばれて来た気鋭のアタッカー。昨年はハムストリングなどの怪我に悩まされた。今シーズンのJリーグも開幕から出遅れていたが、復帰後は鋭い突破や飛び出し、フィニッシュで相手ディフェンスの脅威となっている。FW、セカンドトップ、サイドハーフとこなせるマルチな選手だが、ゴール方向に仕掛ける姿勢はどこのポジションでも変わらない。
■松木玖生(FC東京)
青森山田の主軸として高校年代の3冠を成し遂げ、鳴り物入りでFC東京に加入。開幕戦から主力として奮闘を続ける。パリ五輪世代で初の国際舞台となったドバイカップU-23にも出場。フィジカルの強さに目を奪われがちだが、視野の広さを生かすポジショニングや機を逃さない攻め上がりなど試合ごとにアップデートしている。来年のU-20ワールドカップにも資格のある2003年生まれの万能型MFが藤田や松岡など猛者揃いの中盤で主力の座を奪うか。
■宮城天(川崎フロンターレ)
変幻自在のドリブル、名前に違わず天の川のような軌道を描いてゴールを貫くミドルシュート、観るものを唖然とさせるラストパスなど、持っている武器は全てが一級品。あとはいかにそれらを発揮できるかは川崎でもスタメン定着の課題になっている。ACLでは悔しいグループリーグ敗退を喫したが、U-21日本代表として国際舞台に立つ資質は十分にある。
■中島大嘉(北海道コンサドーレ札幌)
今回の代表合宿でも最大級の注目になる待望の大型ストライカー。国見高の頃からその圧倒的な身体能力は注目されて来たが、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の率いる札幌でストロングはそのままに、実戦レベルでポテンシャルを開花させようとしている。代表選出後には「怪物になる」と宣言。”どんぐり”の愛称も定着しつつあるが、相手ディフェンスには恐るべき”どんぐり”になりそうだ。
(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。