イメージNO1クラブに輝いたドルトムント 倒産寸前だったクラブを救った戦略 

 

ドルトムントが奇跡のV字回復を遂げられた要因は、3つある。

  
 1つ目は、経営改革だ。   06年1月、作業着販売で成功した敏腕ビジネスマンのハンス・ヨアヒム・ヴァツケが新CEO(最高経営責任者)に就任し、スポンサー探しに尽力。07年に化学企業『エボニック』との契約に成功した。さらに同氏は再建の切り札として、監査会社『レルフェス・パートナー』のトーマス・トレスをCFO(最高財務責任者)として招く。
  この財務のプロはモルガン・スタンレーからの「低金利の無担保融資」、「クラブの肖像権を担保にした借り入れ」などの”錬金術“で資金繰りを改善。それを元手にスタジアム所有権を買い戻し、利益率を上げ、人気をきちんと現金化するシステムを構築した。
  13年10月、ヴァツケCEOは年俸1億2000万円+ボーナス2億8000万円、トレスCFOは年俸6000万円+ボーナス1億8000万円の報酬を手にした。メディアからは「もらいすぎ」という批判が沸き上がったが、この2人がいなければ経営改革は実現しなかっただろう。   2つ目は、ユルゲン・クロップ監督による強化だ。
  クロップが監督に就任した08年夏から2年がかりでチームの土台を作り、香川真司が加入した10―11シーズンにブンデスリーガを制覇。翌シーズンもバイエルンを抑えて頂点に立った。守備では激しいプレスで相手を追い詰め、攻撃では選手が次々に飛び出て来る。このダイナミックなサッカーは、欧州で最もモダンなスタイルの1つになった。若手育成にも力を入れており、昔のように補強戦略がブレることはない。

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