浦和の“ゴール欠乏症”再び… ACLで20ゴールも国内でスコアレス、ロドリゲス監督「質を欠いた」と嘆き節
アウェーで柏と対戦、ゴール前の精度を欠きスコアレスドローに
浦和レッズは5月8日のJ1リーグ第12節柏レイソル戦に0-0で引き分け。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の戦いを挟んだなか、これでリーグ戦は4試合連続引き分けと勝ち切れないゲームが続いている。4試合で2得点のゴール欠乏症に、リカルド・ロドリゲス監督は「ゴール前のラストパスやシュート、そこの質を欠いてしまった」と話した。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
浦和は3月の代表活動明けになった4月2日の北海道コンサドーレ札幌戦と、6日の清水エスパルス戦がいずれも1-1の引き分け。10日のFC東京戦を0-0で引き分けてタイで集中開催になったACLの戦いに乗り込み、6試合で20得点を挙げてグループステージ突破を果たした。しかし、帰国初戦になったこの柏戦では再び無得点の引き分けになった。
最終ラインからの組み立てや突破に成功する場面はあったが、最終的な崩しに入るラスト30メートルほどのゾーンからは突破できずに時間が進んだ。ロドリゲス監督は、ACLと相手のレベルが違う部分もあるとして、その改善には取り組んでいると試合後の記者会見で話している。
「引いた相手への戦い方はトレーニングしているが、今回なら相手のセンターバック(CB)が対応を変えてきてやろうとすることを防いできて、ライン間の潰しもあった。使いたいスペースを消されたところもある。ラストパスやシュートの改善点は取り組んでいるが、ACLよりも力関係のところで難しさはある。コンセプトのところ、いかに引いた相手を崩すか、どういう人数でレーンを守るか、その数字に対して全員が連動する必要がある。そういうトレーニングはしているが引いてくる相手に対する難しさがあるのは事実だろう」
この試合でフル出場したMF柴戸海は、こうした得点力の部分に必要なこととして「相手の前の人数に対してのビルドアップの運び方の前進は、何度かできたと思う。そこから次のところでゴール前に人数をかけて得点を奪えるか」と話す。
浦和にはスウェーデン代表歴のあるMFダヴィド・モーベルグやMF関根貴大、この試合で途中出場したMF松尾佑介といった個人で仕掛けられるサイドアタッカーを何人も抱えている。後ろの押し上げが間に合う前に彼らの仕掛けがスタートする場面もあり、それが最終的な崩しのところでの人数不足につながる側面もある。柴戸はそれについて、後ろが前に合わせていく方向性を解決策に話した。
「仕掛けられるのは素晴らしいこと。特にサイドで仕掛けるのに対して、後ろがもっと入っていくタイミング、入るスピードを合わせないと相手が戻ってしまう。時間をかけると帰陣も早い。仕掛けに対して後ろがより早く追い越す、ゴール前に入れるように、後ろの動かしを含めてどこでスピードを上げるか含めて共有しなければいけないと思う」
11試合を終えて浦和は11得点10失点と、得点も失点も多くないチームであることが示され、引き分けもすでに5試合目になった。悪くない試合を展開しているなかで、最終的に勝ち切れるのかどうかは課題として残っている。デンマーク人FWキャスパー・ユンカーが負傷離脱しているなかでの連戦で、最後の質を高められるかが勝ち点を大きく左右することになりそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)