マイアミの奇跡から無敵艦隊撃沈まで… 過去5大会で日本代表は五輪初戦をいかに戦ったか

3勝2敗で決勝T進出はそのうち2回

 手倉森誠監督率いる若き日本代表に、いよいよリオデジャネイロ五輪初戦のキックオフが迫ってきた。現地時間4日(日本時間5日10時)キックオフのナイジェリア戦で白星を手にできるか注目が集まるが、過去5大会の日本代表の五輪初戦の戦いぶりについてプレーバックする。

 1996年のアトランタ五輪で28年ぶりとなる本戦出場を果たした日本の初戦の相手は、優勝候補筆頭のブラジル代表だった。“悪魔の左足”として名を轟かせることになるDFロベルト・カルロス、MFジュニーニョ・パウリスタやサビオという実力者のみならず、オーバーエイジ(23歳以上)枠としてFWリバウド、FWベベト、DFアウダイールという当時世界屈指の名手をつぎ込み、現在日本サッカー協会の技術委員長を務める西野朗監督率いるチームは圧倒的不利が予想された。

 実際にセレソンの猛攻を受けることになったが、GK川口能活(J3相模原)が神懸かりな反応で好セーブを連発して無失点でしのぐ。すると後半27分、左サイドMF路木龍次が上げた高弾道のアーリークロスの処理で、ブラジルのアウダイールとGKジダが交錯する致命的なミスを犯してボールがこぼれた。

 するとそこまで守備に回っていたMF伊東輝悦(J3ブラウブリッツ秋田)がゴール前まで走り込み、無人のゴールに蹴り込んで値千金の得点をゲットした。その後のブラジルの猛攻を耐えきって1-0で勝利を挙げた。世界中に驚きをもたらしたジャイアントキリングは今も「マイアミの奇跡」として語り継がれている。

 4年後のシドニー五輪は「黄金世代」と呼ばれる1979年生まれの選手に加えて当時セリエAローマで活躍していたMF中田英寿氏もメンバー入りする日本サッカー史上最強と呼ばれる布陣で臨んだ。初戦の南アフリカ戦は前半31分に相手エースFWマッカーシーのクロスからFWノンべテに頭で叩き込まれて先制を許した。

 しかし、この苦境で躍動したのは黄金世代の点取り屋FW高原直泰(沖縄SV)だった。前半終了間際に得た直接FKでMF中村俊輔(横浜Fマリノス)の絶妙のクロスをバックヘッドで合わせて同点に追いつくと、後半33分には中田英の高速スルーパスに反応し、相手GKの出てきたところをあざ笑うかのようなシュートで勝ち越し点を奪い、2-1の逆転勝利を飾った。

 

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