「私ならタケに賭ける」 久保建英、再び1部残留の“救世主”となるか マジョルカ番記者が指摘「起爆剤として起用されている」
【スペイン発コラム】バルセロナ戦、2点リードされた後に久保出場も1-2敗戦
スペイン1部マジョルカの日本代表MF久保建英は、リーガ・エスパニョーラ第34節、自身5度目となるFCバルセロナ戦に臨んだ。
6連敗の非常に悪い流れのなか、新監督として3月に招聘されたハビエル・アギーレが5バックの守備的な戦いを選択したため、久保は控えという立場が続いた。しかし前節、残留争いのライバルであるアラベス相手にメキシコ人指揮官が4バックの攻撃的な布陣に変更したことで、4試合目にして初めて先発出場のチャンスを獲得。右サイドハーフとして際立つ存在感を発揮することはできなかったが、特に守備面で献身的にプレーし、2-1での貴重な勝利を挙げたチームに貢献した。
その流れで迎えたバルセロナ戦、絶対的なレギュラーであるFWヴェダッド・ムリキの出場停止もあり、スペイン各紙は総じて久保の2戦連続のスタメン入りを予想。しかし、アギーレは強豪相手に5バックに戻し保守的な姿勢で臨んだため、久保は再びのベンチスタートとなった。
久保に出番が訪れたのは後半に入り2点をリードされた直後。アギーレ監督はこの状況になってようやく攻撃的に戦うことを決断し、久保を後半15分にMFクレマン・グルニエとともにピッチに送ると、さらにその10分後にMFイ・ガンインとMFサルバ・セビージャも投入し反撃の意志を示す。そして同34分にサルバ・セビージャのFKからDFアントニオ・ライージョがスライディングショットを決めて1点を返したものの、それ以降は大きなチャンスを作れず1-2で敗れた。
セカンドトップに入った久保は、後半29分と31分に立て続けにシュートを打つなどゴールへの意欲を見せたが、相手に圧倒的にボールを支配されたため、ほとんどボールをもらえないまま試合が終了し、少年時代に所属した古巣相手に不完全燃焼で終わる結果となった。
久保の今シーズンここまでのリーガ成績は25試合(先発16試合)、1479分出場、1ゴール0アシスト。その間、3試合にフル出場してシュートを32本打ち、イエローカードを3枚もらっている。バルセロナ戦の通算成績は5戦全敗(先発3試合、途中出場2試合)。今年最初に行われたホームでの前半戦は、理由不明のまま招集外になっていた。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。