オシムの名言“9つの言葉” 「敗北は最良の教師」「古い井戸に水がある」…人生にも通じた名将語録
“リスクを負わない勝利はない”はオシム氏のモットー
■名言1:「リスクを負わないチャレンジはない」
これはすべてのことに通じる、シンプルだが人生の多くに通じる言葉だろう。リスクを負わない勝利はないというのもオシム氏のモットーで、選手の名前や過去の実績が、次の勝利を約束するものではないということはオシム氏のあらゆる指導に通じている。
■名言2:「限界には、限界はない。限界を超えれば、次の限界が生まれる」
人は自分の中で限界を設定してしまいやすい。目標=限界になることで、そこから先の可能性が閉じられてしまう。スポーツ選手に限らず、多くの社会生活で言えることかもしれない。
■名言3:「ピッチで指示を待ち続けていたら、試合には負けてしまう」
監督は試合での戦い方を選手に授けるが、実際にピッチでプレーするのは選手たち。思うように行かないことがあっても、指示を待つのではなく自分たちで考えて行動していかなければ、そこで終わってしまう。人任せにせず、1人1人が自分の頭で考えるという現在の日本サッカーで大事なテーマにされていることも、オシム氏の影響は大きいように思う。
■名言4:「敗北は最良の教師である。だが、だから明日の試合で負けたいとは言えない」
負けて学ぶこともあるが、それは負けた時に考えたり、感じることであって、やる前から負けを認めたり、諦めたりしたら、敗北から学ぶこともないということ。勝ちに行って時には負けることもある。しかし、そこには次の勝利のための糧があるという教えだろう。
■名言5:「システムの奴隷になってはいけない」
サッカー界においてシステムとは4-4-2など、フォーメーションにおける配置やそれに伴うメカニズムを指すことが多い。ただ、これは決まった約束事や形に縛られるなというメッセージでもある。物事には必ず土台というものが存在するが、そこに縛られてしまうと、刻一刻と変わる物事に対処していけないということになる。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。